音楽むすび | シベリウス:交響曲 第5番&第6番

シベリウス:交響曲 第5番&第6番

シベリウス:交響曲 第5番&第6番

シベリウス:交響曲第5番、第6番、トゥオネラの白鳥
ベルグルンド&ロンドン・フィル

シベリウスの巨匠としても知られる名指揮者、パーヴォ・ベルグルンドは、3度の交響曲全集のほかに、第4番と、第6番の別録音があったほか、協奏曲や管弦楽曲の録音もかなりの数にのぼっていました。
 中でも注目を集めていたのが、2005年にLPOレーベルからリリースされたロンドン・フィルとのライヴ録音による第2番と第7番で、掛け声まであげて熱狂するベルグルンドには驚かされたものでした。演奏内容も、3度の全集録音や数限りないコンサートを経てのものだけあって、全体の精緻な設計とライヴの興奮が共存する見事な仕上がりとなっており、高水準な演奏の揃っているベルグルンドのシベリウスの中でもその魅力はまさにトップ・クラス。それだけに、今回の第5番と第6番、そして『トゥオネラの白鳥』という組み合わせには期待が高まるところです。 (HMV)

【収録情報】
シベリウス:
1. 交響曲第5番変ホ長調 Op.82
2. 交響曲第6番ニ短調 Op.104
3. レンミンカイネン組曲 Op.22〜『トゥオネラの白鳥』

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 パーヴォ・ベルクルンド(指揮)

 録音時期:2003年5月31日(1)、2003年12月6日(2)、2006年(3)
 録音場所:ロンドン、サウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

【プロフィール】
左手に指揮棒を持つことでも有名なパーヴォ・アラン・エンゲルベルク・ベルグルンドは1929年4月14日、ヘルシンキ生まれのフィンランドの指揮者。11歳よりヴァイオリンを学び、シベリウス・アカデミーではヴァイオリンに加えて指揮法も習得、1949年、フィンランド放送交響楽団のヴァイオリニストとしてプロのキャリアをスタートしています。
 同団在籍中の1952年には、ヘルシンキ室内管弦楽団を有志と結成して指揮を執るなど、当初から指揮者志望だったことは間違いないようで、1956年には、フィンランド放送響の副指揮者となり、1962年にはめでたく首席指揮者に就任し、1971年まで十年間その任にあたります。
 1972年から1979年まではイギリスのボーンマス交響楽団の首席指揮者に在任し、最初のシベリウス交響曲全集やショスタコーヴィチの交響曲録音などを手がけます。
 その後、1975年から1981年には母国ヘルシンキ・フィルの音楽監督兼首席指揮者を務め、二度目のシベリウス交響曲全集などを録音していますが、1981年からは再びイギリスに戻ってスコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者に就任。
 1987年から1991年にはスウェーデンに渡り、ロイヤル・ストックホルム・フィルの首席指揮者を務め、1993年から1998年まではデンマーク王立管弦楽団の首席指揮者を務め、以後、フリーランスで活動、数年前まで現役で活動していましたが、2012年1月25日、ヘルシンキの自宅で亡くなっています。
 ベルグルンドは広大なレパートリーの持ち主ではありましたが、シベリウスのスペシャリストとして最も有名で、交響曲の楽譜校訂までおこなうほどの研究の徹底ぶりと細密なアプローチでも知られていました。
 その実績を録音で見ると、シベリウスでは3度に及ぶ交響曲全集のレコーディングが際立っているほか、幻の作品だった『クレルヴォ交響曲』の紹介者としてもその名前は広く知られています。 ちなみに、EMIへの2度の全集とFINLANDIAへの全集のほかに、得意の第4番(DECCA→FINLANDIA)と、第6番(BERLIN CLASSICS)には別録音もあり、その他、協奏曲や管弦楽曲の録音もかなりの数にのぼりますから、名実ともにシベリウス最多録音記録保持者としてもその存在感には揺るぎないものがあります。(HMV)
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