音楽むすび | Franz Schubert Graze

Franz Schubert Graze

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ミヒャエル・エンドレス(p)/シューベルト:幻想曲ハ長調『さすらい人』D.760、他

まるでソナタと呼んでも差し支えないほど堅固な形式で書きあげられているのに、あまりにも自由な楽想が飛来する『さすらい人幻想曲』を、こんなにも鮮やかに切り込んだ演奏で聴かせてくれるピアニストが他にいたでしょうか? 揺るぎなきテクニックに裏打ちされた、溢れるような音の粒。青年の狂おしい胸の内。これらが混然一体となった見事な演奏です。確かに過去にもこの曲の名演はいくつも存在しますが、そろそろここで新感覚のシューベルトを聴くのも悪くないでしょう。その上、このアルバムを作るにあたり、エンドレスはあまり聴く機会のない作品を準備したようです。とりわけ『グラーツの幻想曲』は、昨年のLFJ(ラ・フォル・ジュルネ)で演奏されマニアの間で話題を呼んだ作品。1968年に発見された曲で、シューベルトの真作かどうかははっきりしていませんが、こんなにも豊かなメロディーを備えた曲が書ける人が他にいたのだとしたら、その人も間違いない天才と呼んでもいいでしょう。(ソニーミュージック)

【収録情報】
シューベルト:
・幻想曲ハ長調『さすらい人』D.760
・幻想曲ハ長調『グラーツ幻想曲』D.605A
・3つの小品(即興曲)D.946
・ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲イ短調 D.576
 ミヒャエル・エンドレス(p)
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