音楽むすび | 日本琵琶楽大系

日本琵琶楽大系

日本琵琶楽大系

63年に発売された7枚組LPの、初のCD復刻盤。一般には一種類と受け取られがちな琵琶だが、実は雅楽の琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶などそれぞれ異なる形態で、もちろん、その音楽は独自の道を歩んできた。それら多岐にわたる琵琶楽を5枚のCD(初出時は7枚のLP)にまとめたのがこの企画だ。これを聴くと、奈良朝の頃に中国から伝わったと言われる琵琶という楽器が、長い歴史のなかで社会構造や風俗の変化に対応しながら広がってきたことを実感する。近年は日常の社会では忘れられた存在になりつつあるが、これを機会に琵琶楽が注目されることになってほしいところだ。ディスク5のラストに武満徹作曲の映画『切腹』のテーマ曲が収録されているなど、決して過去の遺物ではないわけで、そのあたりから聴いてみるのもいいかもしれない。

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