観世流 舞の囃子
76年にLPで発表された『観世流 舞の囃子』の復刻CD化で、今回はチューニングにあたる「お調べ」から舞のカテゴリーの順列に再構成している。笛の一噌(いっそう)流、小鼓の幸(こう)流、大鼓の高安(たかやす)流、太鼓の金春(こんぱる)流という観世流の囃子部門、四流の往時の人間国宝たち全員の演奏を収録した歴史的な音源となっている。初めて舞に接する方にとって、舞う人にとってことに笛がメロディ的な目安になることなど、さまざまな発見があるだろう。労作と言うしかない解説冊子を読みながら聴き進んでいくと、舞っている様子が何となく見えてくる。その昔、武家の教養であったのが舞である。