現在、落語界随一の才能と激賞される談春。50分超の大ネタ2本を収録した堂々の2枚組だ。真に迫った語り口は、すでに“落語は笑うもの”というお約束の範疇をとっくに超えている。独自の解釈を加えた「文七元結」の迫力には、降参するしかない。★
再構築中の「紺屋高尾」での太夫と紺屋職人の純な心、「明烏」における憧れの志ん朝を追い続ける談春のこれも純な心、人間の心根に談志家元とは異なる角度から迫っている。様子のよさに年齢相応の渋味も加わり、来年(2007年)3月15日までのさらなる精進を期待。 2006/03/15 発売