モーツァルト:ピアノ・ソナタ&幻想曲
ハ短調の(1)でじわっと始まり、曲間をほとんどあけずに(2)へ。(1)が(2)の序奏のような扱い。そして(4)まですべて短調。現代ピアノの響き、大きな表現、自在なアーティキュレーション。個性的で聴きごたえ十分。少々疲れるくらい考えた演奏が80年代的か。
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「葬送」ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第「葬送」ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第
どれもが完成度の高いカツァリスのディスクにあって、とくに傑出している1枚。寸分の隙を見せない技巧と溢れんばかりのファンタジーの幸福な出会い。長大な(1)のソナタ、とりわけ前半の2楽章でこれほど多彩にして自在な表現がこれまであっただろうか。 1999/11/25 発売
マーラー:大地の歌マーラー:大地の歌
昨年発行されたマーラー・オリジナルのピアノ譜による録音。音楽の組立てが実によくわかっておもしろい。ピアノは幅広い表現力では管弦楽にかなわないし、カツァリスが濃厚な表情を避けているのですっきりした分、歌手の重要性が高まった。 1999/11/25 発売