驚くべきピアノである。響きを隅々までクリアに保ち、情の陰影に耽溺したり、幻想のうちに個々の音の関係を曖昧にしたりすることがない。しかも音の表情は常に凛とした生彩に満ちており、居住まいを正しつつもホレボレと聴き入ってしまう。無二の名演集。★ 2003/05/21 発売