江戸時代に創始した喜多流は五流中もっとも新しい。諸流の長所を取っているので喜多流ならではの個性には欠けると言われるが、喜多実の場合、声が高いせいか緊張感のみなぎる奏演だ。このテノール風な謡にはすがすがしさを感じる。