雅楽の世界
わが国に伝わる雅楽の主要な曲を集大成した画期的なアルバム。特に「東遊(あずまあそび)」をほぼ完全な姿で再現し、めったに聴かれない昭和天皇のお葬式で演奏した葬送の曲「誄歌(るいか)」などが入っていて、貴重なものとなった。雅楽は中国が発祥の地で、わが国には朝鮮半島を経由して入ったと思われるが、中国では古代のスタイルをすでに失い、韓国の国楽とも違う雅楽は、最も古い姿をとどめていると言われている。そうした意味でも今回の録音は、多くの研究者、愛好家にとって、かけがいのないものだ。
関連音楽
雅楽というと音にボリュームのある管楽器ばかりがクローズアップされるが、琵琶と箏という二種の絃楽器があることを忘れてはならない。訥々とした音色から考えると簡単そうに聞こえるがさにあらず。雅楽をきわめた演奏家のための楽器なのですから。 1992/12/21 発売
雅楽の世界を紹介するべく精力的なレコーディングを続けている東京楽所。今回は「舞楽」を集めている。舞をつけて演奏される雅楽が「舞楽」であるが、打楽器が加わり舞い手の入退場の曲もあり、管弦のみの演奏と比べて多様な編成と構成が楽しめる。 1993/06/21 発売
古代歌謡というのはすなわち歌付き雅楽。朗詠とか今様など、雅楽の楽器を伴奏にした歌である。平安の頃は多数の曲目があったが、ここには現在に伝えられる演奏可能な曲の大部分を収め、宮中の秘曲であった[1]の各曲など聴きどころは多い。朝鮮半島を経てやってきた舶来の音楽にのせて、日本語の伸びやかな母音が歌われる。聴くうちにやがて平安の時の流れに馴染むことうけあい。 1994/11/21 発売
雅楽「春鴬囀(しゅんのうでん)」は、新年や春の訪れ、長寿や誕生日を祝う「源氏物語」にも登場する名曲。唐楽の4つの大曲の1つで、高宗が鶯の声を聴いて、楽工に写させたという記録もある。CDで聴く一具(全曲)が織り成す雅の世界は、新鮮な体験。 1997/04/19 発売
貴族社会の宮廷音楽として発達してきた雅楽の中でも、貴族の「遊び」をテーマにした雅楽“御遊”をセレクト。古典芸能でとっつきにくい雅楽も、遊びがテーマだけあり何となく親しみやすい。 2002/03/06 発売
貴族社会だけでなく寺院などでも、今日まで伝承されてきた雅楽。雅楽の定番曲の中でも、正月、結婚式などおめでたい場面で演奏される曲を収録。「賀殿急/朗詠・嘉辰」「舞楽・平調々子」など。 2002/03/06 発売