マルチヌー交響曲全集
守旧とは一線を画し、新しさに触れる独自の音を持ちながらも、特異というほどには外れてしまわず、職人的な軽さを微妙なバランスで併せ持つマルティヌーの音楽。ほとんど一気呵成に書かれたこれら交響曲を通して聴くと、思いや情景や音の姿の快、いろんなものが、達者なオーケストレーションに彩られてまぜこぜに立ち現れるその大都市的ルツボの面白さに夢想妄想立ち上がる。ノイマンは、情におちず知に堕さず、響きの変化をキビと捕まえ、音楽を端的に息づかせて音の運び逞しく、自家薬籠の脇目振らぬ説得力がある。