長谷川陽子の魅力あふれる1枚。既発売のアルバムと楽器も異なっており、純粋で透きとおった演奏が聴かれる。通算3枚目の最新作は珠玉の名旋律集だが、ポピュラー小品名曲に加えて、フィンランドの旋律やメシアンの作品を収録するなど、意欲もうかがえる。
たった一人のチェリストによって繰り広げられるこの音楽は演奏家の色に染まりさまざまな顔を見せる。人生を語るような巨匠の演奏と比較するとこの長谷川の演奏は軽い。しかしそこには爽やかで瑞々しい若草の香が漂っている。軽やかで暖かな音色が快感だ。 1999/11/20 発売