ドイツでの修業期間が長かった仲道祐子は、96年から日本での本格的なソロ活動を始めた。このモーツァルト・アルバムに聴く演奏では、彼女の素直な感性が現れ、自然な流れが作られている。粒立ちの良いタッチ、細部のニュアンスづけへの工夫も注目される。
仲道祐子は幅広い分野で活躍する多才なアーティストである。しかし、2007年秋に収録されたこのCDを聴いて、完璧な基礎技術の上に積み上げられたクラシックのピアニストとしての比類なき資質にほとほと感服した。優れたピアノ小品集として強く推薦したい。★ 2008/02/20 発売