きれいなタッチ、小手先のあざとさを排した直球勝負、すがすがしく聴ける。一方、和製を完全に脇役にしてしまって、ひたすら旋律を歌いつづけるのは意識的なスタイルの選択か、音楽の和製構造とは距離を置いて右手が転がりつづける。
N響ヴィオラ奏者を父に持つ梯剛之は18歳の全盲のピアニスト。当CDがデビュー盤となる。心が洗われるようなーという形容はこういう演奏のためにあるのだろう。人為的な解釈の存在をまるで感じさせない天使のようなモーツァルトだ。間違いなしの必聴盤。 1996/03/23 発売
2015/10/28 発売