別れのために
ロッシーニ晩年の過去の栄光を追慕する老人の儚い夢、羅の複雑なミニマリズム、現実の別れともオーバーラップしてしまった「別れのために」、武満の追悼としての意味深長なタイトルとなった「閉じた眼」、そして秋山邦晴への追悼のサティ。佳曲ばかりだ。
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<一柳慧の宇宙3>19607’s&199<一柳慧の宇宙3>19607’s&199
一柳は時を見るに敏な作曲家である。時代の空気を巧みに捕まえたスタイルで曲を書く。それが聴く者にどこか颯爽と鮮やかな現代性を感じさせる。60年代は尖鋭な実験と問題提起の時代だった。90年代はどうやら保守回帰と“物語”の時代。その音妙に苦い。 1999/04/25 発売