著者 : くろのくろ
あなたの傍にもいるかもしれないモンスタークレーマー。彼らが辿る結末とは…。 お客様にとって最良のパートナーを見つけられるよう、結婚相談所で「仲人」としての仕事を頑張る冴。だが自分のことを客観視できないお客様のなんと多いことか…。もう駄目かもしれない、と冴が追い込まれたある事件の顛末。 (第一話『うさぎと蜘蛛』) ベテランだからこそ悪質なクレームに対応することも多い、コールセンター業務が長い久美子。最近仕事の調子がいい理由には、心当たりがあって…。 (第二話『コールセンター』) 常連客の理不尽な要求に耐え、明らかに業務妨害の迷惑客におびえながらも、夢を諦めきれず深夜コンビニのバイトを続ける佳奈。そんな彼女の仕事場に現れた「しにがみさん」とは…? (第三話『神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください』)
会社で頑張るすべての人々に捧げる、ちょっとブラックなお仕事小説! あこがれの会社に入社した玲美。だが些細なことがきっかけで直属の上司・岸本の執拗な嫌がらせが始まった。社内では優秀な社員として通っている岸本に逆らうことはできない。疲弊しきった玲美は、彼を殺したいと夢想するようになる。こいつの頭をぐしゃりと潰してやれたらーー。 (第一話『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』) 正社員として採用してもらえるか、微妙な立場である契約社員2年目の麻里子。成果も出しているのに、主任の鈴木からは不当に厳しく扱われている。人格まで否定されるような日々を過ごすうち、麻里子は鈴木主任の後ろに見えるあるモノが気になって…? (第二話『天井の梁』) 妊娠を機に異動した奈々。だがこの部署は、コネをタテに傍若無人に振る舞う豚上司を閉じ込めておく檻だった…。被害に遭っている同僚たちと共有する、愚痴を書き殴るためのテキストファイル。そこにある日書かれていたのは…? (第三話『引き継がれ書』)
オカルトに憧れる「僕」は、ある日の下校中、自分の指へ絡む黒い糸に導かれ、死体を見つける。特別な力を得た優越感に溺れた「僕」は死体を見つける行為にのめりこんでいくが…?偶然が偶然を呼び、不幸に魅入られた者たちは巡り合う。そして、彼らが抱く行き場のない願いと孤独は哀しく連鎖していきー。「僕は君を殺せない」の著者が贈る、サスペンス連作短編集。