著者 : ひなづか涼
街を守る警団に所属するヴィノグだが、その能力は誰にも認められず、雑用係が関の山だった。この世界では、生まれながらに持つ「スキル」は、誰にも変えることはできない。いつかは人々を救う仕事がしたいと願っているのに、ただ他人の服を脱がすだけの「脱衣」スキルでは、避けられこそすれ、感謝はされない。しかしそれが、ヴィノグの唯一の能力なのだ。希望があるとすれば、レベルアップによるアビリティの追加だが、元が「脱衣」ではそれも限界がある。ついにヴィノグは警団からもクビになり、荒くれ者が集うギルドで駆け出しの冒険者となった。しかしそこで、黒騎士イティアと出会ったことで、「脱衣」スキルは、思わぬ成長を遂げる。「強制」能力も加わり、イティアを悩ませていた呪いの防具を解呪することすらできたのだ。全身鎧を脱ぎ、美貌の剣士として活動することになったイティアとコンビを組んだヴィノグは、かつての夢でもあった人助けを自分の力で行い、充実した日々を送ることに!いつも寄り添ってくれた少女シプレスや、不思議な力を持つ魔女パルマも仲間に加わって、ヴィノグのパーティーは市民にも受け入れられていく。そしてなにより、美女たちは皆、ヴィノグのことを心から愛してくれていて…。
田舎育ちのラウルは、とくに目立つところのない普通の魔法使い見習いだった。しかし、生まれ持った「精霊の目」のスキルで光の精霊レリアと契約したことで、帝国の歴史上でも有数の特別な存在となった。精霊は契約することで、初めて人間の目に触れることが出来る。レリアの存在自体が、とても珍しいことなのだ。そのため、帝国最高の研究機関でもある帝立学院への入学も認められ、特別待遇まで与えられている。そんなラウルだが、性格的に出世願望もなく、のんびりした学院生活を送っていた。人間の暮らしに興味津々なレリアと暮らすだけでも、充分に刺激的で、楽しい毎日だ。それにレリアといると、ある不思議な現象が起こる彼女と過ごしたり、エッチなことをするたびに、ラウルの魔力量が規格外なほど伸びていくのだ。そのことを調べたいという女教師フラヴィや、学院最優等生の美少女ベルナデットの接触もあって、ラウルの周辺は賑やかになっていく。とくに、侯爵家の令嬢でもあるベルナデットはラウルに執着しているようで、ことあるごとに接近してくることになり…。