著者 : タジマ粒子
表向きは倒された“ふり”をして、この世界のラスボスの座を退いた魔帝メナス。ようやく自由な時間を手に入れ、最強パーティーを率いて冒険を楽しんでいる中、思わぬ人物が彼の前に現れる。「-見つけました。あなたが、勇者様ですね」それはこの世界のヒロインにしてメナスの天敵となるはずの、聖女ラフリーゼの姿だった。彼を勇者と勘違いしたラフリーゼとの出会いは、のちに世界の未来を左右する大事件へと発展していき…。「私が“未来予知”によって見たのは…破滅の未来です」「未来など恐れさえしなければ簡単に変えられる」不条理な未来を、ぶっ壊せ!これは誰も語ることのない、どこにも記されることのない、RPG史上最強の元ラスボスによるチート無双ファンタジー第2弾!書き下ろし短編「道化蝶の物語」前編。
「これで世界は救われた!」ノア帝国を恐怖で支配していた魔帝メナスは、クーデターを起こした革命軍によって倒された…それは表向きの話。どんな形であれ国を守ろうと努力しても、ラスボスは世界の敵。誰もが幸せになれる世界のハッピーエンドのため、革命軍に倒された“ふり”をしたメナス。ラスボスをやめ自由な時間を手に入れた彼は、配下であった七魔王、そして妖精国の姫を仲間に加え、最強のパーティーでこの世界を知る冒険へと出ることにー!?しかしそんな道中、それまで保たれていた世界の均衡と秩序がメナスの急死によって崩れてしまったことを知り…。-自由に生きるというのは、なかなか大変なようだ。これは誰も語ることのない、どこにも記されることのないRPG史上最強の元ラスボスが世界の不条理を無に還すチートフリーライフ!
かつては帝庁にその人ありと謳われた有能な若手魔導師。現在は不労所得を原資に、趣味に邁進する怠惰な地方領主。-その名は、リュウ・クレソン。教え子達が持ち込んだ無理難題を解決し、再び悠々自適な生活に戻っていたリュウ。そんな彼の元を、クルーエルの秘書にしてかつての後輩、ヘレーネが訪れる。聞けば、イルミーナ、ラピス、パテルの3人で立ち上げた航空輸送事業に関わる仕事でクルーエルが忙殺されており、最終的に全てヘレーネに任されることになったのだという。そこで「先輩が3人をほっぽり出して辞めたのが悪いんです!」という暴論をひっさげ、問題解決の依頼に来たというのだが…。
帝庁に勤め、同僚からも好まれ、皇帝の信も厚い若手魔導師・リュウ・クレソン。しかし、彼を良く思わない一派から政争を仕掛けられ、左遷されてしまった。新たな赴任先は小麦農園。余りの落差に落ち込む…こともなく、「食いっぱぐれないし趣味に没頭出来る」と考えたリュウは、有り余る時間と、なにもしなくても上がってくる農園からの不労所得、さらにいくらでも手に入る小麦を使い、趣味の料理を追求し始めた。ついでとばかりに、暇つぶしに王都で屋台を始め、時折遊びに来る教え子達の成長を楽しみに見守りながら悠々自適な暮らしを楽しんでいるリュウ。-しかし彼は知らない。教え子達の働きによって、自らの名が今も帝庁に響いていることを。そしてー教え子たちを使って背後から政治を操っていると噂されていることさえも。