著者 : ダ・ヴィンチ編集部
遊郭のはなし遊郭のはなし
吉原遊郭「百燈楼」で語られる七不思議。「八幡の鏡」「鼠の道中」「遣手猫」…中でも一番恐ろしいのは、拾えば命がないという「赤い櫛」。噂を聞いた怪談好きの若旦那が、妓夫に誘われるままに入った妓楼の中で、芸者やら太鼓持ちや遣手婆らの怪談を聞いてゆくうち…。第2回『幽』怪談文学賞長編部門特別賞受賞作。
夜は一緒に散歩しよ夜は一緒に散歩しよ
横田卓郎は妻を亡くし、娘の千秋と二人で暮らしていた。千秋は母の死後、奇妙な絵を描くようになるー人ではない、異形のものを。ある日をきっかけに、千秋は「青い顔の女」ばかりを描くようになった。千秋はその顔を「ママ」と呼び絵を描くことに異常に執着する。そしてもう一つ執着すること。それは、夜の散歩だった。『ダ・ヴィンチ』『幽』主催第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作。
秘密。秘密。
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、応えた女の思惑など…。出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。
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