著者 : ヤマモトマサアキ
若くして江戸の裏社会に身を投じて15年、裏の世界で大物になった飄六は、札差だった父を殺された仇を討つため札差簑島屋の店付き護衛・蔵闇師として実家に戻った。父の遺した“穴穿き小判”を手がかりに探索を続ける飄六だったが、簑島屋に多額の借金をしている旗本から蔵替の申し込みが相次いだ。不審に感じた飄六は、調査を開始するが…。立ちふさがる難敵の急所を、飄六の秘剣“竜”が貫く!
近頃市中を騒がす辻斬り。その現場を茶屋の看板娘お里が見てしまったことでその身が危うくなった。近侍を務める新伍に請われ、彼女の護衛をすることとなった柊虎之介。彼が転がり込んだのは、よりにもよって橘隆志郎の長屋だった。天の悪意と呼ばれたふたりの侍が、再び太平の世に暗躍する悪を斬る!
若い頃に家を飛び出して裏社会に身を投じた飄六は、父の死をきっかけに実家に戻った。飄六の実家は札差・蓑島屋で、家業は飄六の実弟・伊兵衛が継いでいる。飄六は伊兵衛に請われて札差の店付き護衛・蔵闇師として働き始めた。ある日、伊兵衛の息子が誘拐され、伊兵衛は身代金を支払って息子を取り戻す。飄六は甥を誘拐した犯人を捕まえようと動きだすが…。変幻自在の得物“竜”を手に、飄六が江戸の闇を駆ける!
天子直属の『護人』葛城九十郎は、京に生まれ京のために死す、百年に一人の天才と言われる最強剣士。九十郎は、ある事件で『護人』としての情熱を失ってしまったが、天子の命で江戸に移り住み、不穏分子の探索を始める。図らずも彼は朝廷のみならず、幕府をも揺るがす影の集団に辿り着くが…!?
江戸にふたりの男がいた。一人は大名家江戸詰めの武士・柊虎之介兼信。もう一人は橘隆志郎、用心棒のまねごとをして日銭を稼ぐ浪人である。歩む道が決して交わらぬはずのふたりだったが、一つの事件が彼らを出会わせてしまう。大名笠原家の落胤新伍を巡る謀略、そしてそれを隠れ蓑として蠢く陰謀を、ふたりの侍が斬るー。
「どうか何も聞かず、この子を預かって欲しい」渾名は“うろつき”の定町廻り同心・空木勘久郎は、浪人者を凶剣から救う。深編笠のその男から突然に託されたのは、八歳の男の子ー鳶之介であった。一方で北町奉行所には、御府内に侵入した重追放の大罪人“嶋田兵部”を、秘密裏に召し捕れという密命が“お城”から直々に下されていたのだが…。
事件と見れば首を突っ込む性癖から“うろつき”と渾名される定町廻り同心・空木勘久郎。“鬼”に成り果てた先輩同心との死闘には勝利したものの、否応なく剣刃の血渦に巻き込まれていく…。その頃、死に至る奇病“腹咬”が流行の兆しを見せる。病魔の影には、万病を治す“奇跡の按摩”と評判の座頭・九治という盲目の男の姿があった。
寛文四年、夏。大川の畔で、一刀両断された渡り中間の死体が発見された。凄絶な斬り口に、下手人は“鬼”であるという噂が、江戸市中を駆け巡る。強すぎる正義感で、縄張り外の事件に首を突っ込む性癖から“うろつき”と渾名される定町廻り同心の空木勘久郎。彼は、“鬼”を追う道行きで、自らが“鬼”と名乗る蓬髪の浪人・陰井善規と邂逅する。
吉原で、御大尽の肥前屋が亡くなった。持病などはなかったが、なぜか遺体の側には、宝相華の模様がはいった薬包が落ちていた。同心の省吾は、薬屋を調べ始めるが、薬包の中身の正体は分からない。そこで、植物に詳しい採薬使・佐平次の所へ相談を持ち込む。佐平次は、その頃花街で流行っていた、惚れ薬や性欲剤などではないかと推測して、花街にある薬屋などに、話を聞きに行くことに。そして、吉宗へ報告しに行った佐平次は、花街での四十〜五十代男性の“病死”が多発していることを知る。薬包の中身を調べていくうちに、「抜荷」の存在に気付いた佐平次が追うと、それは長崎奉行と繋がっていきー!?植物学のスペシャリスト、正体不明の『薬』に挑む!!新解釈時代ミステリ!!シリーズ最新作!