著者 : 三輪士郎
久鬼麗一と大鳳吼の中のキマイラが、目覚める前の物語ー。九十九三蔵は、円空山に真壁雲斎を訪ねてきた久鬼と初めて出会った。その後、西城学園の入学式で再会を果たす。当時、校内は「もののかい」という空手部と関係があるらしい組織に支配されていた。箱根にある久鬼の別荘で夏休みを過ごすほどに親しくなっていた2人は、別荘近くで噂の空手部の合宿に遭遇する。その様子は常軌を逸していた。2人の原点となる20巻!
悩める九十九三蔵の前に姿を現わした真壁雲斎。大鳳吼と久鬼麗一のキマイラ化を抑えるべく奔走していた雲斎は、亜室健之から聞いたキマイラの歴史を九十九に語り始める。その内容は驚くべきものだった。一方、フリードリッヒ・ボック一味に拉致された織部深雪を助けるべく立ち上がった菊地良二は、戦いの末敗れ、捕らえられた建物の一室でボックの仲間と思われる久鬼にそっくりな謎の少年と対峙する。キマイラの秘密に迫る19巻!
ついにキマイラ化した久鬼麗一。玄造と九十九は血肉を求めて飛翔してきた麗一と南アルプス山麓で対峙する。それを見守る宇名月典善、菊地良二ー。敗戦を経て以前より凄みを増した龍王院弘の姿もそこにはあった。一方、大鳳を手中におびきよせようと暗躍するフリードリッヒ・ボック。その企みを阻止しようと立ち上がったのは、あの男だった!?そして、悩める九十九の前に姿を現わしたのは…。風雲急を告げる18巻!
美貌の戦士、龍王院弘。俊敏だが卑屈な少年時代に流浪の格闘家・宇名月典善に見出された。銃弾とすら対決する典善を師と仰ぎ、修羅道を歩み始める弘。出会って約1年が過ぎたころ、腕試しに来留間三郎が道場主を務める玄武館に連れて行かれる。来留間の背後には典善の因縁の相手、当麻真玄流の馬垣勘十郎の姿があった。典善と馬垣。弘と来留間。それぞれの闘いが始まるー。大作「キマイラ」が生んだアナザーストーリー!
久鬼玄造のキマイラへの執念。それは、かつて中国西域で、キマイラによって運命を狂わされた男たちからひきついだものだった。長い独白を終え、玄造は九十九に、キマイラ化を抑えるソーマの隠し場所を教えるように迫る。だが行方不明になっていた麗一が南アルプスの山中にいることが判明し、一同は山へと向かう。しかし、そこにいたのは身も心も完全にキマイラと化した麗一だった。著者畢生の青春大河小説、怒涛の新展開!
馬垣勘九郎が敦煌で遭遇し、切り落とした化け物の腕。それが九十九たちの目の前にある「キマイラの腕」だというー。久鬼玄造の屋敷で披露されたあまりにも奥の深い話に、吐月や菊地は圧倒される。一方その頃、宇名月典善は、庭に侵入した黒ずくめの男と交戦を始めていた。侵入者の正体、そしてその狙いとは!?新たな謎を解く鍵は、能海寛の『西域日記』に記されていた…。悠々たる物語は、さらなる深化を遂げる!
夜ごと羊たちが喰い殺されていくー。得体の知れない獣の正体を暴くよう頼まれた馬垣勘九郎は、橘瑞超たちと泊まり込みで様子をうかがっていた。馬垣が西域にやって来ることになった数奇な運命が語られるが、その時、奇妙な笛の音のような鳴き声が聞こえてくる。あの獣がやって来たかと身構える一行。しかし同時に、馬垣の父の仇である王洪宝も襲ってきて…!?絶体絶命の状況をどう切り抜けるのか。緊迫感あふれる15巻!
馬垣勘九郎が何者かに殺された。若き日の久鬼玄造と梶井知次郎は馬垣の秘密に関わることを決め、生前託されていた包みをほどく。その中身は、明治期に中国西域を探検した能海寛と橘瑞超の日記だった。瑞超の『辺境覚書』には、彼が馬垣と体験した信じがたい記録が綴られていた。彼らが遭遇した奇妙な足跡を持つ獣とは。外法印が描かれた仏画の秘密とは!?遙かな時と大地を超えて、いよいよキマイラをめぐる因縁が語られる。
「大鳳吼は、わが息子だー」ついに自らと大鳳、久鬼との関係を告白した巫炎。彼はキマイラ制御の鍵、「ソーマ」の謎の一端を語る。一方、小田原を去り箱根外輪山に倒れこんだ大鳳。キマイラ化が容赦なく進むなか、自分は何者であるのかを知る決意を固めた大鳳は、久鬼玄造の屋敷に向かう。そこには憎悪を糧に覚醒を始めた菊地と典善、キマイラへの復讐に燃える斑孟がいた。絶体絶命のそのとき、大鳳の前に現れたものとは…!?
大鳳に心をあずけながら九十九に惹かれていく深雪。小田原に帰り着いた大鳳は抱き合う2人を目にしてしまう。獣と化した自らの顔を深雪にさらし、立ち去る大鳳。一方、小田原に現れた第3のキマイラ、巫炎は雲斎の元を訪れ大鳳と久鬼の居場所を聞く。彼は敵なのか、味方なのかー。そして肉体の調査をさせてほしいというボックと争いになった久鬼。2人を止めるように登場した僧衣の男、狂仏の正体とは?大展開の第8弾!
第3のキマイラ・巫炎が日本に上陸。同じくキマイラ化した肉体を有する大鳳吼と久鬼麗一に会うために姿を現した巫炎は、大鳳を追う異能の格闘家・宇名月典善と激突する。一方、雲斎と九十九は麗一の父・玄造からキマイラの謎の一端を明かされる。「キマイラとは人類が捨ててきたあらゆる可能性の源」。その言葉の意味とは?そして、ついに対峙した大鳳と麗一。ためらう大鳳に、麗一は闘う理由を作ったと告げるがー。
キマイラに立ち向かおうとする久鬼麗一。惑い、街を彷徨する大鳳。キマイラを操る秘薬、ソーマの謎を握る由魅。そして麗一と大鳳を捕らえるため、異形の武術家宇名月典善と手を組んだ久鬼玄造。一方、雲斎はキマイラの謎を知るための手がかり、鬼骨にたどりつくべく凄絶な禅定に入る。己のすべてを賭けた雲斎がそこで目にしたものはー。やがて追い詰められた大鳳に、再び覚醒の時がやってくる。動乱のシリーズ第5弾!
大鳳と久鬼を案じる雲斎はキマイラの正体を探るべく、単身台湾へ発つ。そこには鍵を握る第3のキマイラ「巫炎」がいた。八位の外法ー鬼骨の車輪とは?一方、キマイラ化した大鳳と対峙した九十九。己の肉体に疑問を持ち始め悩む九十九の前に、気を操る謎のアメリカ人、フリードリッヒ・ボック、異能の格闘家・龍王院弘と次々に強敵が。キマイラを巡り熾烈さを増す争いのなかで、九十九の修羅の道は続くー。激動の第3弾!
大鳳の目の前で異形の幻獣に変じ、闇の中に消えた久鬼。『このキマイラは、あなたの中にもいるのですよ』久鬼の言葉は、大鳳の心に深い影を落とした。キマイラとは何なのか。自分もやがて久鬼のようになってしまうのか…。大鳳はついに、自分に想いを寄せる美少女・深雪の心配をふりきり、ひとり丹沢山中に姿を隠した。一方、九十九と雲斎は、久鬼の父親が何かを知っているのではと疑うがー。著者渾身の“生涯小説”第2弾!
身体の奥に潜む獣に貪り喰われるーそんな悪夢を見る以外は、ごく平凡な日々を送っていた美貌の高校生・大鳳吼。ある事件をきっかけに「自分に正直に生きるため強くなりたい」そう思った大鳳は、同じ高校に通う九十九から紹介された円空拳の使い手・雲斎に弟子入りし、見る見るうちに強さを手に入れていく。だが学園を支配する上級生・久鬼麗一との出逢いは、彼を数奇な宿命へと誘っていく。著者渾身の“生涯小説”ついに登場!