著者 : 不破裕
雪原に咲く雪原に咲く
イカシバの様子に頓着することなく、箱館奉行の小出は飄々として続けた。「わしは、アイヌのために生きているのでもなく、和人のために生きているのでもない。人は、人のために生きるものだ。ゆえに、おぬしが和人嫌いでも、わしはかまわん。おぬしが人のために生きてくれるのであれば、それでよい」
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イカシバの様子に頓着することなく、箱館奉行の小出は飄々として続けた。「わしは、アイヌのために生きているのでもなく、和人のために生きているのでもない。人は、人のために生きるものだ。ゆえに、おぬしが和人嫌いでも、わしはかまわん。おぬしが人のために生きてくれるのであれば、それでよい」