著者 : 両角長彦
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家によるアンソロジー第二弾!海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕の五名が「街」をテーマに競作。旧型ポストがある田舎の街から基地のある街、さらには新宿ゴールデン街までーその場所ならではの五つの「謎」。個性豊かな著者たちによる、バラエティーあふれる短編傑作集!
とある出版社の文芸編集者・桜木由子の担当する作家は問題児ばかり!?最終話を「読者への挑戦」とし連載を終えたミステリー作家のもとに一通の手紙が届く。「この作品は盗作、トリックはー」推理されるはずのないラストを言い当てられ真っ青になる作家。事態を収束すべく奔走する桜木だったが…。個性豊かな作家たちが引き起す事件を、桜木と見た目は優男だが腕は確かな探偵の鶴巻が解決していく!6つの短編と5つのショートショートを収録。
34歳の子持ち男、柴田元。作家を目指すも全く芽が出ず、編集者である妻のヒモ同然。4歳の娘の面倒をみながら妻の帰りを待つ日々だった。そんな柴田は突然思い立つ。「おれは東大を目指すぞ」妻が突きつけた条件は、絶対に一年で合格すること。さもなくば実家に帰るという。34歳無職父さんの東大受験日記。
いい儲け話があるから助けてほしい、と電話で懇願された凄腕ギャンブラーの半崎。声の主は裏切り行為の常習犯・千野だ。渋々向かった先はヤクザが主宰する高額賭けポーカーの現場。半崎は、絶対的自信のある持ち手を根拠に千野から金を無心される。負ければ異国に売り飛ばすと脅されている千野は必死だ。誰も千野の言う“いい手”を信じていないが、半崎には勝算があったー千野の手に百万円を上乗せし、命を賭けたゲームに挑む!「この手500万」ほか短編七編とショートショート六編を収録。
都内のある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。デザートのフルーツみつ豆に毒物が混入されていたのだ。捜査を担当することになった刑事の岩崎尚子は、給食時の座席表を見て、被害者のひとり宮内祐里の席のまわりだけが、ぽっかりと空いていることに違和感を覚える。さらに生徒が撮影したスマホ動画を調べていると、皆が混乱しているなか、奇妙な動きをする男子生徒を発見し…
(サル)猿田(コ)骨崎(リ)リサコ、三人のメンバーによる「便利屋」には、「便利屋」の範疇を超えた依頼が舞い込む。失言を恐れる議員を辞職の危機から救い、自殺志願の少女に思いとどまるよう説得。行方不明者のブログ代筆や替え玉受験、首の切断まで。無理難題が次々と押し寄せる!破天荒トリオが巻き込まれる七つの短編ミステリーと五つのショートショート。
負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームが行われている地下賭博場のルールは、持ち金がなくなったら自分の臓器を賭け金代わりにするというもの。男はすでに賭け金だけでなく臓器を4つもとられ、監禁状態に置かれていた。金と臓器を取り戻すため賭場に乗り込んだ古賀だったが、そこには大きな落とし穴が…。日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた著者が描くノンストップ・ギャンブル小説!
最新機器の導入により完璧な尾行システムを実現したメガ探偵社・押田探偵社の前に、尾行不可能が現れた。大合併を目前に控えた橋浦製薬の先代社長の自伝執筆を手伝う遠野尚子だ。万全の備えで尾行を開始するベテラン・村川昇平だったが、白昼、渋谷スクランブル交差点の真ん中で彼女は消失した。いかなる方法で?謎を追う村川の前に、橋浦製薬の暗部が浮かび上がる。
東に失言議員がいれば辞職の危機から救い、西に自殺志願者がいれば思いとどまるよう説得し、行方不明者のブログ代筆や替え玉受験、首の切断まで引き受けます!破天荒トリオが巻き込まれる、7つのミステリーと5つのショートストーリー。
バーチャル・リアリティが日常の娯楽として定着しつつある中、究極のアミューズメントとして期待のかかるVD(バーチャル・デス)。その開発に世界で最初に成功した日本の会社が原因不明の爆発を起こし、VDの関係者ほぼ全員が死亡した。事故か、破壊工作か?事故調査委員会から協力を要請されたUAI(未確認事象捜査官)藤森捷子が見たのは、常識では考えられない異様な爆発現場だった。調査を進めるうち、VD開発の裏で隠され続けてきた暗部が次々に明らかになっていく。もはやアミューズメントの域を超え、人類の「在りかた」そのものを変えようとしているVDの真の機能とは何なのか。