著者 : 中山史花
美しい夜(1)美しい夜(1)
高校生の晴野は部屋を出られない。胸がどきどきして苦しくなるからだ。そのせいで学校にも行けず、ひとけのない夜にだけ外に出る生活。奔放な母親は再婚した義父と暮らしており、連絡は途絶えがちになっている。母親の記憶は、見知らぬ男からの暴力と二重写しだった。ある夜、コンビニからの帰り、晴野は同級生の美夜子と出会う。「悪い人間になりたい」という彼女は、そのわりに、飲酒も喫煙も、万引きも暴力も「犯罪だから駄目だよ」と言う。そして晴野は美夜子と、まるで子供の遊びのような、無邪気な夜の時間を重ねていく。しかし夏のある日、彼は彼女の「秘密」に気づき…。魔法のiらんど大賞2022小説大賞“文芸総合部門”特別賞。
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