著者 : 中川千英子
天才植物学者が、ピンチを乗り越え夢に向かって駆け抜ける! 研究に没頭する万太郎の前に、田邊教授が大きな壁となって立ちはだかる。それでも万太郎は諦めずに自分の道をつき進む。妻の寿恵子は、そんな万太郎を懸命に支える。さまざまなピンチに見舞われるが、万太郎の熱意と寿恵子の才覚で、明るく乗り越えて進んでいく。ドラマのストーリーそのままに、セリフ満載で臨場感あふれるノベライズをお届け。
植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにした注目の朝ドラを完全小説化。 連続テレビ小説108作目「らんまん」は高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。その喜びと発見に満ちた生命力あふれる人生を、美しい草花の情景とともに描き出す。 本書は、ドラマの脚本を基に、ストーリーやセリフを小説として楽しめるようにしたノベライズ上巻。放送に先んじて、ストーリーをいち早くお届けする。 <物語> 江戸時代末期の1862年(文久2)、高知で酒造業を営む裕福な商家に待望の男の子が誕生する。のちの天才植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)である。万太郎は、明るい性格だが、虚弱な子ども。なぜだか植物のことが好きで、集中すると周りのことも目に入らなくなってしまう。しかし愛情深い母親・ヒサ(広末涼子)や、姉の綾(佐久間由衣)、幼なじみの竹雄(志尊 淳)に見守られ、万太郎はのびのびと育つ。万太郎が6歳のときにヒサが病気で亡くなると、万太郎は、祖母・タキ(松坂慶子)の手で育てられる。学問所・名教館に入った万太郎は、最初は学校生活になじめなかったが、植物の名前が載った本と出会い、「その本が読みたい」という思いから、熱心に勉強するようになる。 その後、万太郎は学業の面でメキメキと頭角を現し、英語・地理・物理・天文など西洋の学問を次々と吸収していく。やがて明治新政府のもと新たな学校制度が始まり、万太郎も小学校に通い始めるが、その教育レベルの低さに物足りなさを感じて自主退学。その後は家業の手伝いもそこそこに、大好きな植物採集に明け暮れる生活を送るようになる。 東京上野で開催される博覧会をきっかけに万太郎は初めて上京。その旅のなかで憧れの博物学者たちと出会い、日本各地の貴重な植物や海外から来た珍しい植物を目の当たりにする。「いつか必ず日本の植物のすべてを明らかにしたい!」──万太郎の植物学への情熱に火が付いた。万太郎は、東京大学植物学研究室の門をたたく。水を得た魚のように研究に没頭し、新種を次々と発見、学名をつけていく万太郎だった──。
時代は戦後へ。傷ついた人々を音楽で勇気づけたいと奮闘する夫婦の物語、ここに完結! 不遇の時代を乗り越え、作曲家として活躍する古山裕一と、そんな夫を明るく支える妻・音。時代は戦争へと突入し、裕一は、命を懸けて戦う人々を応援するために曲を作り続ける。終戦後、戦意高揚のために作った自分の曲が人々を戦争へと駆り立て、恩師や親しい人たちを失う結果になってしまったことに深く傷ついた裕一は、音楽から距離を置くようになる。やがて音や仲間たちとのふれあいを通じて、音楽の力を再発見した裕一は、復興に向かう人々の心を勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていくーー。数々の応援歌やヒット歌謡曲を二人三脚で生み出した夫婦の物語がクライマックスを迎える!
少し気弱で天才肌の作曲家の夫と、行動力にあふれる明るい妻が織りなす、波乱万丈な物語 昭和という激動の時代、福島の老舗呉服店の跡継ぎとして育った主人公・古山裕一は、たび重なる挫折を経験しながらも、音楽への夢を膨らませていく。やがて行動力にあふれる運命の女性・音と出会い、二人は夫婦に。個性豊かな周りの人々を巻き込みながら、裕一と音は二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく。 主人公のモデルは、「栄冠は君に輝く」などの応援歌や、「長崎の鐘」などヒット歌謡曲を多数手がけた、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而。早稲田大学の応援歌「紺碧の空」の誕生エピソードが描かれたり、昭和歌謡史を彩る山田耕筰や古賀政男、伊藤久男、三浦環をモチーフにした人物が登場するなど、読みどころも充実の1冊。