著者 : 中田重顕
大正十一年生まれ大正十一年生まれ
昭和・平成・令和を生き抜いた須和子。 愛する者を喪いながらも、命の記憶を抱いて生きる女性の人生譚。 時代と土地と家族の記憶をつなぐ、静謐にして壮大な日本近代の叙事詩。 「大正十一年生まれ」の人たちが二十歳になるのは昭和十七年。男子は「十七年徴兵」の現役兵となり、最前線へ。ここ奥熊野の貧しい山村でも多くの若者が戦死し、多くの女たちが戦争未亡人となり、不治の病に侵され命を奪われていった。 過酷な時代を生きた人々の生々しい証言の記録が、反戦への強い抗議となって読者の心に楔を打ち込む。 〈松嶋節「跋」より〉 表題作ほか、中部ペン文学賞受賞「悪名の女」など4作品を収録。著者の集大成となる作品集。 庵納橋 大正十一年生まれ 三枚の絵 悪名の女 跋 松嶋節 あとがき
PREV1NEXT