著者 : 久永実木彦
わたしはこれから、お父さんの死体を棄てにいく。怪獣の暴れる東京に。 短編として初めて日本SF大賞候補作となった表題作をふくむ全四編。 『七十四秒の旋律と孤独』の久永実木彦、驚異の新境地。 運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。立ち尽くす姉妹。その時、テレビから東京湾に怪獣が出現したという緊急ニュースが流れる。つかさは父の死体を棄てに東京にいくことを思いつく。短編として初の日本SF大賞候補作(「わたしたちの怪獣」)。伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。参加者たちは館内に籠城しようとするが……(「アタック・オブ・ザ・キラー・トマトを観ながら」)。『七十四秒の旋律と孤独』の著者、新境地。 ■目次 「わたしたちの怪獣」 「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」 「夜の安らぎ」 「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」 著者あとがき
宇宙船を警備する人工知性紅葉の葛藤と、宇宙空間で物体がワープする際に生じる、空白の七十四秒間の事件を描いた第八回創元SF短編賞受賞作「七十四秒の旋律と孤独」をはじめ、人類が滅亡したあとの宇宙で、ヒトの遺した教えと掟に従って宇宙を観測し続けるロボットたちの日々を綴る連作〈マフ クロニクル〉の全六編を収録。永遠の時を生きる美しいロボットたちと、創造主である人間をめぐる鮮烈なデビュー作品集。
創元SF短編賞正賞・優秀賞(佳作)受賞者が勢揃い。〈時間編〉では松崎有理(第一回正賞)、空木春宵(第二回佳作)、高島雄哉(第五回正賞)、門田充宏(第五回正賞)、石川宗生(第七回正賞)、久永実木彦(第八回正賞)、八島游舷(第九回正賞)の七名が競演。正統派のタイムリープものから、古典落語をモチーフにした幽霊譚、VR世界での”引っ越し”騒動まで“東京創元社生まれ”の気鋭・新鋭作家たちが贈るアンソロジー。