著者 : 五代剛
子供子供子供子供…チカの頭の中で、今さっき言われた言葉がこだましていた。数年前から自分でも気にしていた童顔+幼児体型コンプレックスをものの見事に、しかも密かに思いよせている同級生のユータローから指摘されてしまったのだ。その夜、チカは、本に載っていた『魔鏡願望達成術』とやらを面白半分でやってみた。たわいもな願い事が三つ。だがそれが世にも恐ろしい事態に発展して。
香奈は高校入学以来ずっと憧れていた彰一とコンサートに行き、帰りには家まで送ってもらう。ところが、家のそばの児童公園まで来ると、なんと、そこが果樹園に変わってる。中へ入ると、作業服姿の大勢の猫達が忙しそうに働いている。そこは『想い出の果樹園』、ふたりも『想い出の種』を蒔いた。どんな実がなるのだろう…。タイトル作品の他、いずれもファンタスティックな3編を収録。
ちぎれ雲のそばをゆっくりと、しかし確実に落下してくるのは、大きな帽子をかぶり、パラシュートがわりの傘をさした…ね、猫!?空から魔法使いの猫がふってきたっ。猫の名前はテパ。異世界から、卒業試験を受けるためにやってきた。課題は、人間にひとつだけ幸福を与え領収証をもらうこと。選ばれたのは三杉カズヤ。彼がテパに頼んだのは、『裏庭の少女』へのラブ・アタックだった…。
ぼくとミヤは恋人同士、ぼくらの愛をじゃまするものは何もないーなんちゃって!でもそれがヘンな感じなんだ。小町谷センパイ自慢の新車が暴走してぶつかりそーになったり、ワープロの画面に打ちもしなかった不思議な文章が残ってたり。そして、ぼくの大切なミヤが原因不明の病気。まるでだれかがぼくたちを呪ってでもいるかのよーに。なぜ、なぜなんだ?学園ライト・ミステリー。
ぼく、ある人から言われちゃったんだ。「子供のころ、あなたを夢で見たことがある」って。しかも愛しのミヤといっしょに特別出演してたって。そんなこと、あるわけないって?でも、キミはもう知ってるはず。世の中にはいろんな不思議が存在すること。古い本にこもる気。幼いころ亡くした兄弟の霊。ああ、いま『くすのき文庫』が、新たなトワイライトゾーンに!ぼくの膝はもうガクガクッ!
やあ、みんな、ひさしぶり!ぼくたち魔訶不思議研究会のことは覚えているね?今回マカフシ研のメンバーは、ここ御殿場の、とある山中に春合宿にやってきている。実は、サヨリンのおじさんの経営するペンションに出るという幽霊の調査を兼ねているんだけど…。そこでぼくを待っていたのは世にもおぞましい恐怖の体験と、そして…胸の痛くなるような切ない思い出だったんだ…。
いきなりだけど、君たちマカフシ研って知ってるかい?超能力とかUFOとか占いとかおよそ謎とつくものならなんでも研究しちゃう、ぼくら“魔訶不思議研究会”のことなんだ。ところが、メンバーは、会長の小町谷センパイ以下ーたったの四人!そんなツブれかけたマカフシ研に舞いこんだ調査の依頼は…なんとぉっ!真夜中のオンボロ校舎に出る女のユ・ウ・レ・イ!
あたしこと斎藤由梨はプロレスとマンガをこよなく愛し、知的でクールな放浪の詩人・スナフキンに憧れる、ごくフツー(?)の女子高生。幼なじみの悪ガキ・コージとプロレス観戦の帰り、ひょんなことから知りあったひとりの文学青年(しかも美形)にギブアップ!由梨のはつらつラブ・コメディ。
時は西暦2091年。USF(国家統合府直属特別警備局)に所属するヒロミは、17歳の女エージェント。“世界を飛び回り、素敵な男性と恋をしてハッピーエンド”を夢見てこの仕事についたのに、チームメンバーに難あり、の浮かない毎日。そこへ舞い込んだ局長命令が「トキオ・シティの過激派を逮捕せよ」しかも、めちゃ美形のエージェント、ユウと組んで!チャンスよヒロミ、ぐぁんばっ!