著者 : 井上剛
スマホで手軽に読めるのも魅力なのか、ショートショート人気が再燃しています。でも本で読むのは、格別な味わいがあると思いませんか?どうぞ目次を開いてみてください。収められているのは、愛すべき小さな物語たち三〇作。どこから読んでもだいじょうぶ。クスリと笑えたりちょっぴりゾッとしたり、ほっこりしたりー。ひとときの別世界旅行をお楽しみください。
お姉ちゃんが死んだ。首をつって。あたしと二人で暮らしていたマンションの自分の部屋で。姉の明香里は三つ違いで、きれいで、成績も良く、両親にとって自慢の娘だった。社会人二年目で、仕事も順調そうだったのに何故?姉の携帯に残されていた四人の男のアドレスとメッセージ。妹の穂乃花は、姉のことを知るために彼らに会いに行く。待ち受ける衝撃のラストに、あなたは愕然とする!
幼子の母亜矢子の最近の苛立ちの原因は、ママ友仲間の中心人物麻由による理不尽な嫌がらせ。コミュニティ唯一の独身女性時恵や旧友志穂を心の支えとしつつも、無関心な夫、育児疲れもあいまって、亜矢子は追い詰められ、幸せな日常から転落していく。その破滅の裏側には、思いも寄らない「悪意」が存在していた…。不世出のストーリーテラーが新境地を拓いた、傑作心理ミステリー!
指を差して強く念じれば、その対象を殺すことができる-路子は、そんな不思議な能力を持っていた。二十歳の誕生日目前、胸に秘めた「決意」を実行に移さんとする彼女は、急病に倒れた瀕死の母親を見て、やり場のない怒りを抱くこととなる。「この女を殺すのは私。病気で死ぬなんて、絶対に許さない…」看病に没頭する日々が始まった。真摯な医師鷺森、難病の少女彩乃らとの交流は、愛情薄い両親への復讐心に凝り固まった路子の心を解すことができるのか…?生とは?死とは?親子の絆とは?日本SF新人賞受賞作家が描く、感涙のドラマ。書下し。