著者 : 今日マチ子
1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【〜ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。87歳、角野栄子は今も現在進行形だ! 大西洋 市ヶ谷 イコ 十三歳 市ヶ谷 イコ 十六歳 早稲田 イコ 十八歳 新宿 イコ 二十二歳 太平洋
眞子(8歳)とかず(86歳)はひ孫と曾祖母で大の仲良しだった。 ひいばあちゃんと手紙交換をしたい眞子は手紙を書くが、何日待っても返事はこなくて。 手紙交換によって明らかにされるひいばあちゃんの秘密とは……。 優しさと純粋さに心打たれる傑作長編小説。
爆弾が埋め込まれたテディ・ベアの行く先々で事件が起こり、さらに偽テディ・ベアまで現われ、事態はますます複雑な様相を見せ始めた。やがて必死の探索を続ける野木由子にも悲劇の影が忍び寄りーー。衝撃の完結篇!
「探してくれ、熊の人形を。爆弾が入っているんだ」21歳の女子大生、野木由子は、アパートで爆死した友人・中原が最期に遺した言葉を聞き、テディ・ベアの行方を追う。しかし、中原の家から熊を持ち去った少女は殺され、次に手にした主婦は冷酷な夫の仕打ちに耐えかねて自殺を図る…。可愛いぬいぐるみは由子をあざ笑うかのように、手にした人々に不幸をもたらしていく。人間の悲喜劇を描いたユーモアサスペンス。
赤ん坊のときに捨てられた美帆。だが、心優しい治子に育てられ、すくすくと成長した。そして今、16歳になった美帆は、天才バレリーナとして未来を嘱望され、ステージの上で鳴り止まない拍手を浴びている。この幸せをもたらしてくれたのは、毎年誕生日に花束を贈ってくれる「足ながおじさん」。その人こそ、本当のお父さんに違いない。まだ見ぬ父を探して、美帆の冒険の旅が始まったー。珠玉の青春ラブ・サスペンス。