著者 : 伊東七つ生
幼い頃に異世界へと迷いこんだ藤枝蕗は貴族に庇護され、仕えることに。だが恩人である領主夫妻が襲撃され、蕗は夫妻の息子の赤ん坊ローランを抱いて逃げ、以来、王都で慎ましく暮らすようになる。成長したローランは衆目を集めるほど美しく、賢い青年になった。そんなローランの元に、「末姫さまの忘れ形見」と王家から迎えが来て、王子として迎え入れられることに。一度は邪魔な存在だと追いやられた蕗もローランの強硬策によって王城へと招かれるが、再会したローランは「離れたくないよ」と蕗に口付けをし!?さらに王位を巡る争いに巻き込まれ、蕗とローランは離れ離れになるが…?
「君と結婚するという神託が降りた」容姿端麗だが仕事人間と名高い宰相閣下・ガウナーが突然職場を訪れ、ロアに告げてきた。魔術式構築家として仕事一辺倒で、何の魅力もない自分にー?疑問に思いつつ、しかし合理的にロアは結婚を承諾する。すぐにガウナーの家での同居生活が始まるが、仮面夫婦のように過ごすと思っていたガウナーは、意外にもきちんと夫婦関係を構築しようと歩み寄ってくる。恋なんて縁がないものと思っていたのに、何故か心は彼の反応にいちいち揺れ動いて…!?
化生の血を引く、稀代の陰陽師ー安倍晴明。ある日、宮腹の中納言と呼ばれる帝の血を引く貴族から、禁域の沼で瀕死の状態で見つかった息子を助けてほしいと依頼がくる。「夢に出てきた不動明王が、安倍晴明に助けを乞えと告げた」という中納言の言葉をいぶかしむ晴明の前に、禁域の沼の主・みずちが現れー!?新・安倍晴明伝第5弾!
時は平安。人間と化生の間に生まれ、類稀なる力を持つ安倍晴明。神である十二神将を使役に下した噂は瞬く間に広まった。しかし事あるごとに、神将を奪って名をあげようとする陰陽師たちから襲撃を受けてしまう。さらに晴明も神将の圧倒的な力にあてられ、心身共に負担を強いられていた。そんな折「内裏で宴を開くので、帝と大后ならびに貴族の面々に十二神将を披露せよ」という命令が下りー?新説・安倍晴明伝第2弾!!
時は平安。陰陽師として類い希なる力を持っている安倍晴明。ある日、押しかけ親友、榎〓(りゅう)斎の誘いで賀茂祭を見に行った彼は、牛車の暴走に巻き込まれた橘の姫を助ける。ところが彼女は、底知れぬ力を持った化け物に憑かれていた。外つ国からきたという、その化け物を倒すため、晴明は十二神将を式神とし対抗しようとする。しかし、十二神将は人の思いが具現化した神。人が御すことなど不可能と言われる伝承の存在だったー。