著者 : 佐々木功
「百万の軍勢を率いさせたい」天下人豊臣秀吉にそう言わしめた勇将、大谷刑部。敦賀五万石の小領主は、なぜ天下分け目の大戦を起こせたのか。いかなる思いで関ヶ原の戦場に立ったのか。生い立ち、病との闘い、父なる主君、友との出会いと訣別、家臣・家族との絆、そして、最強の敵への挑戦。謎につつまれた名将の渾身の生き様を、斬新な切り口で描く。
史上まれにみる出世街道を突き進んだ戦国武将・豊臣秀吉の魅力あふれる物語。織田信長の美濃攻めが始まる。斎藤龍興領の要衝、墨俣に一夜にして城をつくり、敵はおろか信長の度肝を抜いた藤吉郎の奇想天外な策略の数々とは?そして、いつもその傍には野心家の兄を支える弟、小一郎の姿があった。次々に加わる仲間たちと藤吉郎一家が、力を合わせて乱世を生き抜いてゆく!のっけから大興奮!歴史に新たな息吹を。異能の時代小説家、渾身の書下ろし!
野望、宿命、誇り、謀略ー様々な因縁が交錯する上田城攻防戦。民とともに、一族の存亡と男の夢を賭けた真田家の戦いに刮目せよ!!舞台は稀代の策士・真田昌幸が愛して作り上げた、信州小県郡、上田の地。日の本を真っ二つに分けた大乱に強大な敵が攻め来る。敵は天下取りへ驀進する徳川家康。二十倍の大軍勢を前に、一族、家臣、城、領地、民、忍び、すべてをつぎ込んだ真田の戦略が動き出す。密命を帯びた真田忍びの源吾は、真田信幸付き小姓に姿を変え、敵味方の間を駆け続ける。果たして若き忍び武者の役割とは!?そして、真の正体とは!?
天正十八年(一五九〇)、北条家当主・氏直とその家臣たちは、小田原城にて連日評定を行っていた。天下のほぼ全てを手中におさめた豊臣秀吉の大軍勢に城は囲まれ、北条家の命運は今や風前の灯火。誰もが策を見いだせず諦めかける中、亡き北条氏康の寵臣にして小田原一のへんくつ坊主侍・板部岡江雪は動き出す。舌先一つでコロリと人を動かし、奇縁を生み出し、天下をひっくり返す!これが戦国最後の秘策だ!!「爺の全身全霊で、お屋形様に天下を取らせましょうぞ」
織田家中において、決して欠かせぬ者という意で「米」にたとえられた、「米五郎左」こと丹羽長秀。その右筆・太田牛一は、長秀の記を秘かに残そうとする。本能寺の変で長秀は、窮地に立たされていた。明智光秀を討つのに最も有利な位置にいながら、軍を動かすことはおろか、行動を共にする信長の息子・信孝が光秀の娘婿・津田信澄を、疑心のあまりに殺害するという暴走を止められなかった。しかし、大乱の中で長秀は、亡き主君への想いと、信じるべき未来を見据え、ある秘策を立てていたのである…。男たちの熱い生き様を描いた、新鋭による戦国秘史!
甲賀の忍びあがりの土豪、滝川久助は、男の陰謀で父を失い、兄を殺め出奔。久助は名を一益と改め、諸国を放浪中に織田信長と運命的な出会いをする。一益は、射撃や忍びの腕だけでなく、武将としても力をつけ、信長の寵臣として存在を大きくしていく。天下への道を着々と進んでいく信長だったが、天正十年(一五八二)、家臣・明智光秀の突然の謀反によって斃れてしまうー。一益を頼みとする若き前田慶次郎、伝説の忍者・飛び加藤といった魅力的な脇役も登場。謎多き武将、滝川一益の波乱に満ちた生涯を描く。選考委員が大絶賛した、第九回角川春樹小説賞受賞作。待望の文庫化!!