著者 : 佐川恭一
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないかーー? 20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑むーー。 主人公の太田亮介は、就職活動に熱が入っていない京都大学三回生。日本を牛耳る巨大企業「Z社」に入社するため、ようやく重い腰を上げて就活に臨むが……。 銃撃をかわしながら出身大学OBを探す「OB訪問」やSNSでの10万人フォロワー獲得をめざす「インターンシップ」、歴戦の就活猛者たちと激論をかわす「グループディスカッション」、そして多くの就活生が命を落とす「面接試験」。生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を克明に描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる、“就活エンターテインメント”登場!
愚かさこそが青春だ!!超絶難関校に通う天才・英俊は、帰路、女子のミニスカからチラ見えするパンティーに気を取られ、デコトラに撥ね飛ばされてしまう。目覚めるとそこは清朝の中国。彼は科挙に人生を懸けることを決めた。ある不埒な目的のために(表題作)。同級生が描く尋常じゃないくらい上手いエロ漫画。それを読むことが出来るのはマラソン大会の優勝者ただ一人!少年たちの熱い戦いの火蓋が切られるー(「少年激走録」)ほか、失笑連続の全九話。
妻と娘との三人家族のわたしは、職場でも家庭でも孤立していき、限られた小遣いの中でわずかな喜びを見出す日々。強靱な精神を持つ妻に太刀打ちできないわたしは家出することで抵抗するが…「愛の様式」。苦手なドッジボールに誘われるまま参加したことをきっかけに、現実のぼくの心と体はどんどん乖離していく。十歳を目前にしたぼくはすべてを消し去ってしまおうと決意する…「冷たい丘」。この世界はしらふで生きていられる場所じゃない。勝者しか存在を許されない会場で、ぼくたちは倒れるまで下手なダンスを踊り続けるしかない…「舞踏会」など。5編の妄想と諧謔によって綴られる佐川恭一ワールド全開の一冊。