著者 : 北野武
舞台は戦後から高度成長期に沸く東京。たけし少年の初めての記憶から、オリンピックを経て、学生運動の気運高まる時代の中、新宿を彷徨っていた大学時代まで。突き刺さるノスタルジーと青春のモラトリアム…。人間の本質に迫る私小説!
四人の少年たちは、やがて大人になり、暴力と金の世界へーー。 北野武のド直球勝負作となる青春バイオレンス小説!! 中学の入学式、いきなり喧嘩で相手を圧倒したキーちゃん。なぜか気に入られた茂は、埼玉出身の悪ガキ鈴木、魚屋の佐々木と共に四人で毎日遊びまわることになる。飲酒喫煙、喧嘩カツアゲから刃物を使った暴力沙汰まで、とにかく悪戯や悪ふざけを越えた遊びで悪名高い集団に。しかし中学も終わりに差し掛かった頃、キーちゃんは姿を消す。どうやらヤクザになることを決めたらしい。キーちゃんの代わりに番長と見られるようになった茂の立場は微妙に変化し、高校に入ってからも様々な火の粉が降りかかるようになる。ある日、揉め事の最中、茂にちょっかいを出し続けていた岡田の腹を佐々木が出刃包丁で刺してしまいーー。チンピラから成り行きでヤクザの世界に入り込んでしまう少年たちの姿を描く、青春バイオレンス小説。 表題作の中編「不良」に加えて、単行本完全書き下ろしとなる短編「3-4X7月」も収録。 【著者略歴】 北野 武(きたの・たけし) お笑いタレント、司会者、映画監督、俳優。1947年東京都生まれ。1980年代初めに起こった漫才ブームにおいて、漫才コンビ「ツービート」として社会を風刺するシニカルな笑いで人気を獲得。1990年頃より司会業や映画監督業を活動の中心とし、MCを務めるテレビ番組の中には20年以上続くものがある。その行動や言動は、一般・芸能界問わず、多大な影響力をもつ。精力的に執筆活動も行っており、近著に『キャバレー』『北野武第一短篇集 純、文学』『首』など。
すべてを数学に置き換えるインテリ親分とその任侠(「理系ヤクザ」)、突然「ピアノを始める!」と言い出した親分を巡り繰り広げられる大騒動(「ヤクザのピアニスト」)、集まればグチとゴシップ三昧、どうしょうもないオヤジのある一夜(「粗忽飲み屋」)、さらに浅草時代に「俺」が体験した「面白くて怖い人」達との零れ噺(「愉快な人達」)まで、時事ネタ満載!文豪・北野が「組織」に悩む人に贈る、最新小説!
羽柴秀吉と千利休に雇われ、謀反人と逃げ延びた敵を探す旅をしていた曾呂利新左衛門は、信長に反旗を翻し、有岡城から逃走する荒木村重を偶然捕らえた。この首の価値はいかに。曾呂利は、信長が狙う荒木村重の身柄を千利休に託すのだった。一方、丹波篠山の農民・茂助は、播磨へ向かう秀吉の軍勢を目撃し、戦で功を立てようと、雑兵に紛れ込むのだった。だが、思わぬ敵の襲撃が茂助の運命を狂わせていく──。信長、秀吉、光秀、家康を巻き込み、首を巡る戦国の饗宴が始まる。書き下ろし歴史長編。
北野武がラップ小説!? 漫談と小説が奇跡の融合!? オンリーワンよりもナンバーワンよりも大切なものがここにはある。 疲労もポン! これが「小説」の覚醒剤。現代日本の悩みを吹き飛ばす、小説家・北野武の圧倒的な才能が詰まった傑作「純、文学」作品集、ついに刊行!