著者 : 南潔
若主人・烏島廉士が営む『質屋からす』に、 ある男が持ち込んだ、美しい紅い皿。 その皿には、対となる白い皿が存在したはずだった。 物語は、紅と白、二つの皿を巡る謎を軸に、 人々の運命を翻弄しつつ、複雑に絡んでいく……。 従業員の目黒千里が持つ特別な能力で謎を解く、 大人気ダークミステリー、シリーズ最新作登場! 欠皿 奇術師の弟子 双生の祝い皿 女の鑑定書 破物と小娘 紅絹の皿 銭金に親子はない 美しい失敗作 月と朱盆 私の鳥籠 白妙の皿 賤に恋なし 毒を食らわば皿まで 烏鳴きの除夜 あとがき
人形(ドール)は 秘密をすべて知っているーー ワケアリ品ばかり買い取る質屋で働く、千里。 ある日、高校の元同級生が訪れて……人気シリーズ最新作! 家族のモノは自分のモノ 人形の来訪 情けは質に置かれず パンドーラーの人形師 ドールセラピー 烏の目鷹の目 開眼 髪は女の命 闇夜の烏、闇夜の灯 人形の家 鬼は内、福は外 黄泉がえり 墓穴 パンドラの壷 盲目の故意 あとがき
“本屋さん”への想いに揺れる家政婦・宵子の昭和レトロ浪漫譚 商店街のはずれにある「山下古書店」。 新米家政婦・宵子(よいこ)の努力により、 廃業同然だった店にも最近はちらほら客が入る。 一人前を目指して今日も立ち働く宵子には実は、 男やもめで無精者の店主・一生(かずお)との間に秘密があってーー。 意地っ張りでおせっかい、そしてとびきり一途な宵子と、 年の分だけ臆病になった一生が、 人情あふれる下町を舞台に繰り広げる、 懐かしくてちょっぴり切ない年の差純情恋物語。 黄昏古書店の家政婦さん 春夏秋冬下町恋話 ■目次 牡丹の影 緑水亭事件 反復恋習 あとがき
「僕はね、自分のコレクションを奪われるのが大嫌いなんだ」 本当に怖いのは力で“視る”ものじゃない。目の前にあるのに見落としている真実だー。 『質屋からす』の店主・烏島は、店の1階で客から物を買い取り、2階では情報を売っている。彼の質草コレクションは高価な物より人の不幸や欲望にまみれたワケアリの品ばかりで、烏島はそれらを一人ひっそりと愛でるのが趣味。店で働く目黒千里も、彼がある能力ごと“買い取った”モノのひとつだ。あるとき、そこに赤いかたわれ靴が加わった。持ち主が謎の死を遂げていると知り、うっとりと微笑む烏島だが、ある日それが盗まれて…。大人気! 物に宿った記憶を読み解くダークミステリー、待望のシリーズ化。
親の反対を押し切り、家政婦になろうと田舎から出てきた宵子だが、職場が古すぎる『山下書店』で雇い主がズボラな店主・一生だと知り愕然とする。が、開店休業状態の店と一生を何とかしよう!と一念発起。一生こと“本屋さん”との共同生活が始まる。客の持ち込んだ紙芝居の秘密を見つけたり、不思議な少年に会ったり、割烹『藍のれん』の夫婦から人生訓を授かったり…心温まる古書店ストーリー。
他人の不幸や欲望にまみれたワケアリ品を好む質屋からすの店主・烏島に、特殊能力ごと買い取られた千里。ある日、店に地元の名士・七杜家の長男・宗介から、失踪した使用人の捜索という依頼が来る。千里は烏島に命じられるままに調査するが、その足跡を辿るうち「七柱の伝説」に行きあたり、鍵を握る神社に向かったもののピンチに陥ってしまい…?物に宿った記憶を読み解くダークミステリー完結編!
パワハラで会社を辞めた千里は、収入がなくなり払えなくなった家賃の足しに、両親の形見の結婚指輪を換金しようと質屋からすを訪れる。しかし店主・烏島に「それは君の大切な物じゃない」と見抜かれ店を出ようとしたところ、別の取引を持ちかけられた。それは千里の『ある能力』を金で買いたいというものでー。客から持ち込まれた焼け焦げたペンダントを“視た”ときから始まる不穏な事件とは…。
聖斗高校二年生・佐伯晶は、女子と見紛うほどの美貌の持ち主。近寄ってくる女子も多いが、男子のいじめの対象になることも。ある日、二人の男子に詰め寄られているところを養護教諭の水上花に助けられる。それからたびたび保健室を訪れるようになった晶に、次第に翻弄されていく花。そして、晶らしからぬ冷酷な行動を偶然目にして…。学園を舞台に繰り広げられる恋模様。「恋愛教室」シリーズ“保健室”篇。
川島美咲は、家柄の良いお嬢様育ち。周囲から特別扱いされ、何不自由ない高校生活を送っていた。美術部顧問・柏木に、ある行為を目撃されるまでは…。「この世には、どんなに欲しがっても手に入らないものがあるってことを、君に教えてあげるよ」。柏木は美咲を翻弄し、支配し、拘束する。自分の存在価値が揺らぎ始めたことに気づいた美咲は…。学園を舞台に繰り広げられる恋物語「恋愛教室」シリーズ・美術室篇。