著者 : 喜友名トト
ある朝目覚めた小説家の俺は、「昨日」の記憶がないことに気づく。どうやら俺は一日ごとに記憶がリセットされ、新しいことを覚えられないという症状を抱えているらしい。可愛い女の子と出会っても、小説を書き進めても、そのすべてを明日には忘れてしまう。絶望的な状況のなか、「負けるものか。諦めるものか。絶対に書くんだ」というメッセージとともに5万字を越える書きかけの小説が、パソコンの中には残されておりーー。第六回ネット小説大賞を受賞した「あきらめない」物語、待望の書籍化!
悪の組織『メタリカ』に就職した小森寧人。彼は初めての部下、ツルギ・新名・アニスと共に沖縄へと赴任する。 激戦を繰り広げる精霊戦士・ラモーンと謎の海底生物サンタァナ。三勢力による三つ巴の戦い、それこそ沖縄が『特地』と呼ばれる所以だった。 状況を打開するために、寧人が仕組んだ“最悪”の奇策とはーー!? さらに、北海道の『選抜戦闘員訓練センター』に教官として赴いた後、アメリカの悪の組織『クリムゾン』へと出向する寧人。普通の青年であった彼は、少しずつ、だが着実に“悪”の頂点へと駆け上りつつあった。 そんな彼にクリムゾンのボスであるミスタービッグは問う。 「悪は滅びる。私はこれが事実だと思うよ。それでも君は、その階段を登るかい?」 悪と正義、それぞれの信念が交錯する。これはひとりの青年の叛逆の物語である。
『世界征服を目指す悪の組織です! 明るく元気な職場が、あなたのヤル気を待ってます!』 時は二十二世紀。“大多数”の人々が幸福な暮らしを送る、今より少しだけ未来。 ニート青年・小森寧人はある日、不可思議なWEBサイトを発見する。それは、世界的な大企業である、悪の組織『メタリカ』の求人広告だった。 難関と言われる面接を奇跡的に突破した彼だったが、配属されたのは庶務課ーー。つまり、ザコキャラ。戦闘員となってしまうのであった。 そして、彼はこの世界の正義そのもの、白銀の騎士・ディランと対峙することに。 理不尽に統率された世界で、寧人は組織で出会った上司や同期の女の子、ライバルと共に、世界を変える戦いに挑み始める。 これは自らの信念と理想に従った、普通の青年の叛逆の物語である。