著者 : 喜多嶋隆
ここは葉山の海が見渡せる楽器店。店主の牧野哲也は十代でデビューして注目を浴びたギタリストだが、活動を中断し充電中。目が不自由な従妹の涼夏を引き取り、気ままな二人暮らしを送っている。店に持ち込まれる中古ギターが運んでくる音楽を愛する人々の熱い想い。それがいつしか哲也の心の奥に火をつけてゆくー。湘南の海風のように爽やかな青春音楽小説。
父親と二人暮らしの高校二年生の航一のもとに、腹違いの妹がやってきた。素直で一生懸命な彼女を見守るうち、兄の心は揺れ動きはじめる……海辺の町を舞台に描く、限りなくピュアでせつないラブストーリー。
初めて出会った時、君は野性的で、ココナッツの香りがしたー。流葉爽太郎の新たな仕事は、南洋の島々におけるフランスの支援活動PR。アイデアを模索する折、あるカメラマンの回顧展に赴くためシンガポールへ。そこで巡りあった少女と一枚の写真が危険に誘う。美しいモルディブを舞台にサスペンスと愛が交錯!型破りのCFディレクター・流葉が主役の大人気シリーズ!文庫書下ろし。
NYのレストランで、ピアニストの絵未が出会ったのは、脚本家志望の青年。夢を追う彼の不器用な姿に彼女は惹かれていくが、彼には妻がいた……。恋を失っても、前を向き凛として歩く女性たちを描く中篇集。
湘南の海岸に大量の白ギスの死体が打ち上がる事件が続いていた。異常を感じた市の要請で対策本部に呼ばれたのは、魚類保護官の銛浩美。魚の大量死に隠された謎と陰謀を追う!
再会は雪降る静かな夜だった。店にやって来た女性は、流葉爽太郎の中学時代の級友・菜摘。ふと淡い思い出が蘇る。もちろん彼女の訪問には理由があった。それは日本初上陸となる海外ファッション・ブランドの広告制作依頼。彼らの前に立ちはだかる無数の壁、少しずつ近づく二人の距離。そして、プライドをかけた広告戦争の行方は!?流葉シリーズの新たなシーズンが始まる!
広告代理店の仕事に嫌気が差し、下町の居酒屋に飛び込んだペギー。持ち前の明るさを発揮し、寂れた店を徐々に盛り立てていく。そんな折、ペギーにTVの出演依頼が舞い込んできて……親子の絆を爽やかに描く
海外の仕事で華々しい成果を挙げた流葉爽太郎。彼の功績に目をつけた警察庁は、危険ドラッグ撲滅キャンペーンのためのCF制作を依頼。はじめは乗り気でなかったが、タッグを組むこととなる美しき警視・圭子の過去を知り、引きうけることを決意する。ふたりは心に傷を抱える者同士だったのだ。その制作のさなか、迫り来る危険!時にクールに、時に熱く、流葉は戦う!
鎌倉・由比ヶ浜にある浄泉寺。住職だった父親に代わり、息子の凜太郎が継いでいる。しかし、寺の運営に全く関心のない彼は、アルバイトの僧侶を雇い、気ままにサーフィンを楽しむ日々。ある日、身体中にキズがある女子高生が駆け込んでくる。家族に相談出来ないと言い張る彼女を見捨てることも出来ず、渋々宿坊を貸すハメに。家出の原因を探っていくと、友人関係のトラブルだと分かり、解決に向けて動き出す。人生に迷った人たちの心の葛藤を描く、潮風香るハートフルストーリー。
小森夏佳は、マリーナの責任者。海千山千のボートオーナー、ヨットオーナーの相手をしつつも、ハーバー内で起きたトラブルを解決している。そんなある日、彼女のもとへ、一つ相談事が持ち込まれて……。
深夜の相模湾で繰り広げられる銃撃戦。冷静に引き金を絞る秘密諜報員、柊一の暗号名はブルー。不当な品物の密輸や密入国の阻止が彼の任務である。その最中、ターゲットの貨物船から逃げ出した中国人女性は記憶を失っていた。謎の組織に追われる彼女が握る秘密とは!?そして、孤高の諜報員の運命は大きく動き出す。アクションと恋が激しく交錯する海洋サスペンス!
4月の初め、湘南の海岸に大量の白ギスの死体が打ち上がる事件が続いていた。異常を感じた県の要請で対策本部に呼ばれたのは、海洋生物の生態系を守る魚類保護官・銛浩美。魚の大量死に隠された謎と陰謀を追う!
あるときは日常の一場面で、またあるときは非日常の空間でーー恋は誰の元にもふいに降ってくる。その続きはときに切なく、ときに甘美に……。様々な恋のきらめきを軽やかに描き出す粒ぞろいの恋愛掌編集。
湘南のかたすみにひっそりと佇む、隠れ家のような一軒のホテル。強い風をさけて身を寄せ合うカモメたちのようにこのホテルを訪れる客人たち。若き女オーナーが彼らの秘密を解きほぐす。連作恋愛短編集。
誰もがみな孤独を抱えながら生きている。だからこそ自然と奇りそい、惹かれ合っていく…。文化の違うニューヨークの商社で孤軍奮闘する日本人女性と心の傷を抱えたビル警備員との暖め合うような恋、葉山のさびれた保養寮で、自分の信念に従って生きる2人が交わしたひと夏のほのかな恋…。時に孤独を友にしながら、前向きに強く生きようとする女性たちの恋の瞬間を描いた、元気がもらえる4つの恋愛ストーリー。
中川芹、湘南育ちの33歳。5年前からマリーナでバイトするかたわら、キャット・シッターで生計を立てている。依頼主の留守中に猫の世話をするという仕事がら、依頼主の人生模様をかいま見ては、一喜一憂する日々。苦い過去を持つ芹は、恋愛には臆病だったが、新しい依頼人であるカメラマン・一郎と出会い、お互いの心の傷を知るにつれ、次第に心を開きはじめる…。猫によって癒され、結びついていく人々の姿を描く珠玉の物語。喪失のいたみを知る大人たちに贈る、ハート・ウォーミング・ストーリー。
わたしは、比嘉絵理子。ラハイナで生まれ育った日系三世。ハワイ大学を休学中のわたしには、ホノルル市警のアンダー・カバー(秘密捜査員)という、もうひとつの顔がある。任務は、レイプや強盗、麻薬がらみのトラブルに巻き込まれた日本人を救うこと。バッジも警察手帳も持たず、危険地帯に潜入する。冒険心いっぱいのわたしには、うってつけの仕事なのだ。今日も愛用の拳銃片手に秘極捜査のはじまりだ。