著者 : 図子慧
理想のオーガズムを記録するコンテンツ。空きビルに遺された不可解な密室。謎めいた主人公・黒丸ー強烈な個性で輝く、官能的な近未来ノワール!大森望編『NOVA5』に掲載され、絶賛された表題作に加え、世界観を同じくする書下し中編「密室回路」を収録。練磨された技巧で、図子慧の真骨頂を示す一冊!
気まぐれに駅の四番線ホームに現われて易を立てる謎の老人、通称ヨンバンセン。よく当たるということからしだいに評判を呼ぶことになり、その正体に迫ろうとする者まで現われる!?東京の下町を舞台にした、異色の連作人情ミステリ第2弾。
雨の日、気まぐれに駅のホームに現われて易を立てるという謎の老人。ふとした偶然からその存在が知られることになり、彼の助言をもとめて駅を訪れる人々。易とは何なのか?その結果によって悩める人々は救われるのか?東京の下町を舞台に、人々の想いが絡みあい綾をなす異色の人情ミステリ。
「自分の帰る場所がわからない。待っている人など、どこにもいない」兄弟のように育った内田は自殺し、祖母も亡くなった。独り残された義国は高校の寮に入るが、二学期の始業式の日、級友が校舎から転落死し、疑惑の生徒は失踪した。さらに寮でのボヤ騒ぎと名門私立高校を猜疑と恐怖が覆う。生と死、愛と性、友情が複雑に交差した多感な青春を描く学園ミステリー。
暴力と破壊、そして変異者ー軍に追われる少年に、塔の外の世界は歪んだ姿を見せつれる。葬られた過去が新たな破壊を呼び、都市をむしばんでゆく。変容を続ける生命は、果たして何を目指すのか。遺伝子の中に眠る未来を鮮やかに予見は描き出す、新時代のカルトSF・第2部。
「宮内に関わるな、死ぬ」-深夜にあたし(仙子)の家にかかってきた不気味な電話。宮内って何者?誰かがお兄ちゃんを狙っているの?透仙お兄ちゃん、青葉、恋人の温海さんと、捜査に乗りだしたあたしだけど、宮内家って何やらいわくありげな総合病院の経営者。お兄ちゃんはそこで家庭教師のアルバイトをすることになった。そして薔子さんという、運命の恋人と出会ったの…。
あたし、仙子。ドジなとこだけが先祖の久米仙人ゆずりかと思ったら、超能力まで遺伝するなんて。あたしは恋人の温海さんに触れられると空を飛んじゃうし、お兄ちゃんは人の心を読めるテレパスなの。ハンサムなのに、フラれてばっかりのお兄ちゃんだけど、最近、恋人ができたみたい…。親友の青葉とあとをつけたんだけど、行き先は荒れはてたお寺。お兄ちゃんの様子が、へんなの。
あたし、仙子。仏心学園高校1年生。ご先祖さまは、女の子の足に見とれて空から落っこちちゃった久米仙なの。親友の青葉と図書館に行ったあたしは、すっごくステキな彼・温海さんと出会った。彼の目にみつめられて逆上したあたしは、運般用カートにのったまま、4階の窓からダイビング。そのままあえない最期!でも、気づいたのは図書館の屋上だった。もしかしてあたし、空を飛んだの?
ボクは、小川モネ。かわいくも、きれいでもないけど、れっきとした女子高生。両親が離婚して、祖父母の所にやっかいになってる。ボクのいちばん好きなひとは、順三郎。彼もボクのこと、やさしく見つめ返してくれる。そして、親友の貴子が好きなのは、順三郎のイトコの綸堂。彼もお家の事情がかなり複雑なんだ。白い層雲の下のボクらのサマータイムロマンス。結果は、涙の夕立、のち快晴。
闇の中に、じっとうずくまる銀色の生き物ー遠い記憶の彼方から、今も心のどこかから、甘くせつなく見つめ返す存在ー幼いころ、きっとあなたも見たことあるはず…。幼なじみのトオルが登校しなくなってから半年になる。楓子は、彼を学校に連れ戻すため、彼の住む“研究所”へ向かった。その途中、あたしは雷に撃たれ…そして、ふしぎな国のミャオが、あたしの前に現れたのだ。
正月早々、1台の自動車が河原に転落炎上する事故が発生した。中から発見された黒焦げの死体は、なんと自分自身だった。偽装殺人、ガス爆発…次々とまわりで起こる不吉な出来事と忍びよる腹黒い人間たち。そして突如、現れた謎の少女。身よりがないはずの主人公と莫大な遺産相続をめぐって、さまざまな思惑と謎が絡みあい、意外な結末をむかえる最新本格ミステリー。
ボクこと小川モネが名門・私立白鳳高校に編入してから、はや半年。両親の離婚に落ちこむヒマもなく、今は文化祭にむけてカンカンガクガクの毎日(ボクは“生徒会役員”なのだ)。そんなある日、ひょんなことからプロの劇団を学校に呼んじゃおうなんてムボーな企画に巻きこまれてしまった(それもとんでもなくお金のかかる!)。『家庭ホーカイ』ぐらいじゃ落ちこんでなんかいらんないっ。
旧藩主、坂東家のお嬢様・薫子。訳あって、ただ今家出を決行中。紅髪桜の下で出会った謎の不良兼秀才少年・伊万里と意気投合したのもつかの間、早くも迫る坂東家の捜索隊!しだれ桜の咲き狂う城跡を、薫子を乗せた伊万里のバイクが走る。そして、紅髪桜の黒い幹が突然ふたりの眼の前に広がった瞬間、投げ出された不気味な世界。そこは黒い月が昇り、魑魅魍魎が蠢く、「虚」の世界だった。
えっ、離婚!親らしいこと何ひとつしてないで冗談じゃないわ!こうなったら宣戦布告だ。連中に親の責任を遂行させてやる!てなわけで、別れる前に1年間だけ理想的な一家団らんの生活をすることを、ボク(小川モネ)と弟の百典で両親に無理やり約束させた。偽物でもいい、理想的な父と母、明るい家庭生活。続ければ本物になるかもしれない。パパママ、ワン・モア・チャンス、プリーズ。