著者 : 堀田あけみ
イギリスでは「大切な友達」のことを「一杯の紅茶」と言う。お花見をかねて2年ぶりに集まる25歳、高校の仲良したち。この6人が揃えば、あの頃と同じ時間が流れるはず…。紅茶の味の書き下ろし。
ボクは山中美奈、十八歳。四人姉妹の三番目。女の子なのに自分のことを「ボク」ってよぶのは、ボクが一卵性双生児の片割れだから。いつも隣に、同じ顔をして同じ服を着てお揃いのリボンまでつけた妹の美穂がいるという状況では、ボクが自己主張しなければボクはボクとして認めてもらえない。で、「ボク」とよぶことにしたのだが、ボクの前に予備校生の本多が現われて…。
上条飛鳥は従姉のアイコの影響で弓道を始め、大学でも、アイコに引っぱられて弓道部に入部する。が、弓道部の方針を納得できず、三月で退部してしまう。アスカの退部はアスカひとりの問題にとどまらず、アスカの同居人タケルもまきこんで思わぬ波紋をひろげていく。大学の弓道部を舞台に、先輩・後輩、男子部員・女子部員間の葛藤をシリアスに描く青春小説。
大学1年生の陽は夏休みのアルバイトで、青春映画の撮影に加わる。そこで知り合った同じ年の大介にいつしか恋心を抱くようになる。しかし、それが片思いなのか両想いなのか、陽にはわからない。大介に思いを寄せる年下の少女がいることを知り、陽の気持は乱れる。-少女から大人へ脱皮しようとする思春期の恋の悩み、心の揺れをみずみずしい感性で描く恋愛小説。
母子家庭で育った加藤まさ子は中学1年のとき母が再婚して伊集院まさ子になり、中3の姉の理夏、小6の双子の弟、秋朗と冬星もできた。冬星はその名のとおり、冬の星のように美しく、透明でどこか危なげな少年だった。まさ子は、この妖精のような少年(フェアリーボーイ)に恋をする。口に出したくても出せない恋心を胸に秘めたまま、まさ子は弟を見つづける…。
美しくて、危うくて、透明な少年。人をひきつける妖精、フェアリーボーイ。まさ子は少年が好き、でも少年はまさ子の弟…。妖精のような少年に恋をした多感な少女のナイーブな心の成長物語。
ブルーな工場での1日、京介が落とした財布を届けてくれたポニーテールの女の子ーそれが海だった。織田川海、19歳、三つ子の兄弟・空、大地たちとロックバンド「ポルカドッツ」をつくって、ライヴハウスで活躍している。実家は大きな造り酒屋で、親に決められた生活を嫌い、上京してきたのだ。京介は、さっそく海に交際を申しこむ。だが、ポルカドッツのプロデビューが決定し…。
18歳・文子・高校3年いわゆる受験生。「受験生の生活って、暗いもんじゃない」。大学受験を目指し、悩み、怒り、苛立ち、傷つきながらも、精いっぱいに生き抜く文子たち4人組の女の子の日々の姿。独特の名古屋弁スタイルに、ユーモアと苦味をミックスしてフレッシュに描く、あっぱれ痛快奮闘記ーさて、結果は?文芸賞受賞のベストセラー『1980アイコ十六歳』に続く、青春小説のパート2。
花鈴は、高校の弓道部に在籍する16歳。何よりも音楽が好きな彼女は、弓道部の圭蔵、孝幸、梅喜が作ったバンドに参加。堅物の会計・靖樹もメンバーに引きいれた。バンドの名前は『松竹梅』。その後声の綺麗な晃三も加わり、いよいよ活動開始!ところがその矢先、弓道部主将でもある孝幸が入院したというウワサが…。「1980アイコ16歳」の作者が描く、80年代の青春グラフィティ。