著者 : 夏川裕樹
あたしは恵、12歳、ロビンソン学園の最年長。この学園は、理由があって両親と住めなかったり、両親がいなかったりする子供たちの施設だ。これまで面倒をみてくれたロビンソンおばあちゃんが亡くなった。代わりにやってきたのは、黒沢さんという40くらいの女の人。これまでと違って行儀作法や規律に厳しいので、あたしはことごとく反発を始めた。どんな意地悪にも、あたしは負けない。
あたし(道子)は、高校2年生。街がクリスマス一色に染まったある日、図書館で侑と出会った。侑は2年前までつきあっていたカレ。その頃あたしと侑は、ずっといつも一緒にいるだろうって信じていたのに。高校が別になっただけで、あっさり離れちゃうなんて…。今のあたしのカレは、大学2年の龍一。侑にも由美子っていう恋人がいる。でも、その日からあたしの心から侑が離れなくなって…。
ヨビコーの高一補習コースからの帰り道、弥生にナンパボーイ風の圭介が近づいてきた。一目ボレだって。でも、そんなパープーまる出しの男の子なんて嫌い。弥生には、片思いだけど、憧れの酒田先輩がいる。その時、ビルの上の窓から花瓶が落ちてきた!狙ったのは弥生?-翌々日、高校の化学部室に野球の硬球が投げ込まれた。そして、さらに…。弥生と圭介の犯人捜しが始まった。
あたしは高野圭子、高一。入学前の春休みにこの街に引っ越してきた。ところが何と、隣の家に同じクラスの男子がいて、その名前が原田達彦、前の中学であたしをフッたヤツと同姓同名!彼は見かけは軟弱な優等生だけど、シンは強くて骨っぽい。あたしはいつか惹かれてきった。でも、彼は、夢を実現させるために、人生を賭ける決心をしたと言う。あたしを置き去りにして、彼は何を…?
幼なじみのマコに“思い”をつげてから、俺の世界は変わり始めた。いつもそばにマコがいるーそれが、今はたまらなくいとおしく思える。だから、なんとしても一緒に高校に…との願いも空しく、俺たちは別々の高校に通うことになってしまった。そんなとき俺は、凍えた色の瞳の少女・唯と出会い、その兄貴代わりになることになってしまったのだが…。続「キミのハートを追いかけて」。
「ノーティボーイ」って意味を知っているだろうか。ひらたくいえば「悪ガキ」。「ガキ大将」って訳してもいい。そう俺はノーティボーイ。中三になろうとしている今でも。でもけっこうやっかいなこともある。例えばクラスメイトの恵。「お兄ちゃん」といっては何かと頼ってくる。俺にとっては妹みたいな存在だ。そんな恵が『義兄弟』でもある横尾を好きだったとは!
両親の離婚から10年。あたしはママとの約束どおり、1度もパパと兄キに会っていない。…なのに、いきなり“会ってこい!”だなんて横暴よ!おまけに恋までやってきて大波乱の15の夏物語。
引っ越しの日の夕方、あたしはあいつに初めて会った。隣に住んでたあいつの名前は原田達彦。ついてない。というのも、原田達彦って、あたしが昔、付きあってた男の子と同姓同名なんだもの…。偶然にしてもひどい話。あいつに会うたび、転居を機に忘れようと決心した昔のことがよみがえってきそう。すべてが新しく始まるはずだったのに、あたしの前には、なんともままならぬ現実が…。
悪友いわく“迷コンビ”のマコと俺。早い話が幼なじみの腐れ縁だ。世話焼きで口うるさい、大人ぶりっ子のマコだけど、俺にとっちゃさしずめ妹、というより弟分ってとこだった。それが、最近の俺って、どうも変なんだよ。他の男と親しげに微笑みあうマコが、妙に女っぽく見えたり、近くにマコがいないと、なんとなくイラついたり、やたらとマコが気にかかる。俺、ひょっとしてマコのこと…?