著者 : 夏石鈴子
きっとあなたに似た主婦がいる、8つの物語 《わたしにとっては、主婦とは雄々しい人たちです。たった一人で、家族のために自分の全てを差し出している善意の人です》《逆襲したわけは、そうでもしないと誰も、主婦の話なんて聞いてくれないからです。うっかり「どうしたの」と言ったら、面倒なことを振られるとでも思うのでしょうか。そうではないのに。ただ知って欲しい。それだけのことです。》(著者) 子どもは言うことを聞かず、夫は理解してくれず、姑は口出ししてくるし、ママ友との関係には気疲れするし、会社では上司に「もっと真剣に働け」と言われ……それでも悲しみも苦しみも胸に隠して、今日も家族のために奮闘する「奥さま」たち。日本最大のサイエント・マジョリティーである彼女たちの胸の内を、リアルに綴った短編集がいよいよ文庫になります。 主婦なら誰でも身に覚えのある描写が満載、そして読み終える頃には明日を生きる勇気をもらえる、8つの共感ストーリー。
前は首にしがみついて「好き好き好き」という感じだったけど、今は後ろをどこまでも付いて一緒に歩いていきたいという好きなのだ。--家族になった二人の日々をしなやかに綴る、笑えて泣ける愛情小説。
誰かを好きになって、恋をして、一緒に暮らす。そこには、たくさん喜びや悲しみ、想いの襞が重なりあっている。夫と娘と初詣に行く日常を得るまでの、恋愛と仕事に戦う日々を描く表題作「家内安全」のほか、「ゆっくり進む船が行く」「鉄紺」「ぬるぬる」、平間至の写真から生まれた「ショートストーリーズ」など、いずれも、恋をする心と体を、まっすぐに見つめた小説集。
セックスの時だけ、正直に素直になれる。意地の張り合いのような、昼間の時間しか自分になければ、心は意地悪なままでいただろう。気持ち良さのなかで、いい子だいい子だと囁かれて、泣きながらわたしの心はピンク色に戻ってほぐれていく。こころに届く小説集。
好きな人と一緒にいるしあわせ、体をくっつけている安心、好きという思いーー。ごく普通の女の子たちのリアルな日常とありのままの恋愛、ほんとうのセックスを大事に切り取った、八つの恋の物語。