小説むすび | 著者 : 大石圭

高校１年生の時に隣家に棲む男に拉致監禁された奈緒子。１か月にわたって弄ばれ続けた彼女は、男を殺害し辛うじて地獄から生還した。凄絶なトラウマを抱えたまま成長し、現在は不妊治療専門の医師として活躍する奈緒子だが、美貌の女医として評判の彼女のもう１つの顔、それはＳＭクラブに所属する売れっ子Ｍ嬢“セリカ”だった。過去と現在、サディスティックな欲望とマゾヒスティックな願望が交錯する、驚愕の問題作。

昔、昔、ずっと昔。少年が幼い日に森の中で見つけた一冊の雑誌。そこには全裸の若い女性が革製の首輪を嵌められた写真があった。少年は思った。いつか僕もこんなふうに女の人を、とーー。

心霊番組のレポーターの朋香は、住人のほとんどが謎の死を遂げたと噂される幽霊屋敷を取材することに。当日、取材を始める前から続発する怪奇現象。また、呪いに触れた全ての命を奪う呪怨の連鎖が始まった!!

僕はただ、殺しまくりたいだけなのだ。 食べ物を粗末にした女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男、病気の飼い犬を放置した数学教師、子供を虐待する若い母親。 奴らは皆、死ぬべきだーー。 優秀な中絶専門医・古河は、柔らかな物腰と甘いマスクで人望も厚い。 しかし彼の価値観は、幼少期のある出来事により歪みきっていた……。 彼は、死に値すると判断した人間を拉致して地下室の檻に閉じ込め、残忍な手段で次々と、淡々と殺していく。 美しきシリアルキラーの真の目的に気づくとき、あなたは二度驚く。 驚愕のラストが待つ、美しき猟奇殺人！

ある雨の降る晩。突然、僕は佐々木千尋を思い出した。１９歳だった彼女と僕がテーブルに向き合ってコーヒーを飲んだこと。彼女の亜麻色の髪、腋の下の柔らかそうな肉、八重歯、透けて見えたブラジャーの色や形…９年も前の、僕の人生のもっとも幸福だった瞬間ー。そして僕は、佐々木千尋を捜してみることに決めた。もう一度、幸せの感触を思い出したいと願ったー。それは盲目的な純愛なのか？それとも異常執着なのか？気鋭が書き下ろす問題作。