著者 : 大藪春彦
ソ連の最高軍事機密を奪取し、クレムリン要人一家の亡命を幇助せよ。さらにKGB幹部三名を暗殺せよー遂行不可能とも思える数々の密命を受け、鉄のカーテンの向こうへの潜入を図る西城秀夫。だが、その動向はすでにKGBに察知されていた。組織を挙げての襲撃に絶体絶命の窮地へと追い込まれる西城の運命は!?殺人機械の最後の戦闘を描くシリーズ最終章!
西城秀夫は、アフリカのザンビアでハンティングを楽しんでいた。命がけの闘いで次々に大物を斃す彼のもとに、警察庁から緊急連絡が入る。五十億円という報酬額以外、何も知らされないままアテネへと飛ぶ西城。やがて複数の連絡員から細切れに伝えられる密命ーそれは、究極の殺人機械・西城をもってしても、絶望的なまでに困難な任務の数々だった。
資本金15億の「東和油脂」経理部に勤める朝倉哲也は、上司の信頼が厚く、控え目で真面目な男。しかし、それは彼の壮大な野望を隠すための仮面に過ぎなかったー。浅黒く整った顔に人なつっこい瞳、鍛え上げた肉体を武器に、夜ごと特殊技術の習得と情報収集に励む朝倉。彼は私利を貪る上役たちに成り代わって会社を我が物にできるか。東京オリンピック直前の熱気あふれる東京を舞台にした、ハードボイルドアクション開幕!
昼は平凡なサラリーマン、しかし、夜は組織への反逆を企てる一匹狼ー。29歳の朝倉哲也は、強靭な肉体と天才的な頭脳を武器に、銀行の金を強奪し、上司の愛人を情報源として飼い慣らし、暴力団の組長にすら一人で立ち向かう。すべては腐った巨大企業を「食いものにする立場」を得るために。厄介な敵が次々と行く手を阻む中、朝倉は野望を達成することができるのか。組織の底辺に位置する男の凄絶なる復讐劇!
日本政財界のブラックマネーを強奪していたイスラエルの組織は、アラブ・ゲリラへの報復機関“シオンの星”だった。“シオンの星”パリ支局を壊滅させた警察庁の秘密捜査官・西城秀夫は、ついにヨーロッパ総局を標的に定める。アムステルダムからフランクフルト、コペンハーゲンへー。鋼の肉体と冷徹な精神で、巨大組織に単身、最後の闘いを仕掛ける西城の運命は!?
警察庁からの依頼を受け、西城秀夫はヨーロッパへと飛ぶ。政府要人や財界の大物がスウィス銀行に預けた隠し金が、次々と強奪されていた。そこにはイスラエルの秘密組織が関わっているらしい。その組織の正体を突き止め、壊滅せよというのだ。パリへと金を引き出しに向かった不動産会社社長を囮に、西城は組織の中枢へと食い込んでゆくー。超絶アクション巨編!
次期総裁の座を狙う保守党の福山派に腕を見込まれた暴力団狩りのプロ・西城秀夫は、香港に飛んだ。中国を将来の世界最大の市場とみた福山は、党有力者との接触を図っていた。だが、密約の親書と多額の現金を持ったまま、使者たちが消息を絶ったのだ。金と親書奪還のため単身潜入した西城を、中国マフィアの魔手が待ち受ける!血で血を洗う凄絶アクション長編。
不慮の事故で引退した天才二輪レーサーの水島は、営業マンとして、一見平穏な市民生活を送っていた。だが、ある野望を胸に秘める水島は、その平凡な貌の裏で緻密な計画の元、現金輸送車、銀行などを次々と襲っていった。大金を手にした水島は、野望達成のための最終武器を手に入れるべく、米軍空母に狙いを定めた。水島の最終目的とは…。長篇ハードアクション。
東光銀行の現金輸送車がシュマイザーMP38短機関銃で武装した三人組に襲撃され、六億円近い現金が奪われた。運転していた陸上自衛隊特殊部隊あがりのガードマン・杉田勇は、重傷を負った同僚の証言から共犯の疑いをかけられ、警備会社を解雇された。こんな会社に未練はない。それより俺を罠に嵌めやがった奴に何がなんでも復讐してやる。杉田は貯金を軍資金に行動を開始した。傑作ハードアクション。
鳥羽崇、33歳。光学機械の輸出入と装弾機材や機器の輸入会社を独力で築き上げた。秋川渓谷の谷底から鳥羽の両親の死体が発見された。警察は事故死を主張するが、2人の体には不自然な傷があり、父の会社や父個人の動産不動産は、新東邦エンタープライズのものになった。そして今、鳥羽自身が襲われ、妻の雅子が殺されたのだ。復讐の鬼と化した鳥羽は、巨大な組織に凄絶な戦いを挑む。傑作長篇。
星島弘の持つ国際的な武器商社の支社が爆破され、旧友であるカメラマンが惨殺された…。友人が遺したのは、ベルリンの壁崩壊を超然と眺める老人の姿を写したスライドだけ。ナチスの残党を思わせる老人だった。ふたつの事件に国際的陰謀を嗅ぎつけた星島は調査のため渡欧。だが、彼も何者かに急襲され、瀕死の重傷を負う。-待望の書下ろしシリーズ最新作。
両親を亡くし、伯父の家に引取られた北野晶夫は、細っそりした強靭な肉体と女が息をとめるほどの美貌の持ち主だった。そんな彼が熱中しているのは、モーター・サイクル・レースだった。浅間の第1回日本モーター・サイクルのレース出場を皮切りに、いくつかのレースで頭角を表わし始めた彼の夢は、二輪車で世界を制覇することだった。スピード、暴力、セックス、激しく孤独な青春を描いた力作巨篇。
白鳥雅也-表向きは輸入ブローカーだが、実の姿は国際刑事警察機構の秘密捜査官である。幾たびとなく任務で生死の境をくぐり抜けてきた彼に、新たな指令が下った。ハンブルグ港であがった東洋人女性の腐乱死体を捜査せよとのことだ。被害者はマダム・オカダと名乗り、ヨーロッパに長期滞在している若い日本人女性に目をつけては金になる仕事があると持ちかけていたという。背後に大がかりな人身売買組織の匂いを嗅ぎつけた白鳥はヒッピーに身をやつし、盛り場に潜入する。ハード・アクションの巨匠、渾身の力作。
内閣情報室特務課・石板晃。彼は手段を選ばぬ非情な一匹狼だ。彼の行く所には女と血の香りが充満する…。文化大革命でC国を追放され日本へ逃れた南小路公麿は、密かに極秘フィルムを持ちだしていた。そのフィルムにはC国の世界征服計画に関する秘密が収められていた。野望の露見を恐れたC国国家保安部は公麿の愛娘を誘拐し、脅迫する。救出を命ぜられた石板は、相俸ベレッタを手に敢然と敵に立ち向かう。が、事件には意外な黒幕が…。息をもつかせぬ展開と、凄絶なガンファィト!会心のアクションノベル。
赤新聞の記者として恐喝まがいの仕事で金をかせいでいた武田進は、一転してデトロイト3大自動車メーカーの一つ、クリンガー社の秘密工作員になった。しかし武田は、東和自動車工業に対する卑劣な乗っ取り計画に耐えきれず、全てを暴露し、告発すべく反旗を翻した。だが、その結果は愛する妻の鮎子と一人娘の鱒子の惨殺だったのだ!!怒りと憎悪に燃えた武田はたったひとりで米国資本とCIAに戦いを挑む。長編ハード・ヴァイオレンス。
野望を秘めた瞳と非情なマスク、そしてしなやかで強靭な肉体…伊達邦彦には英国諜報局破壊活動班員という別の顔があった。モンテカルロのGPレースで事故の混乱に乗じて、モナコ王子と王女が誘拐された。2人を救出せよとの女王陛下の命が下る。黒幕はギリシャの船舶王アナシス。法外な身代金でモナコ王国を破産させ、カジノもろとも乗っ取るのが狙いだ。邦彦は篭落した仏女優ミレーヌの手引きで、アナシスにルーレットの大勝負を挑み、大金を巻きあげる。凶悪な本性をむきだしにしたアナシスとの全面対決が始まった。
俺は三十一歳、独身。背中に神経を配って、今まで生きのびてきた殺し屋だ。暴力団・安東組との抗争から、俺は高利貸の金森に雇われ、その事務所にむかう俺の車を二人組の乗ったトラックが猛スピードで狙ってきた。安東組に違いない。俺がやってくることを奴らに知らせた裏切者は誰だ!-「独り狼」他、組織暴力が蠢く暗黒の世界をたったひとりで生きる孤独な男たちを描く秀作8篇を収録。