著者 : 天沢夏月
突然の火事に遭い、孤独となった男子高校生のコテツは、島根に住む遠縁の老婦・剱田かがりに引き取られる。彼女は、日本で唯一といえる女性の刀鍛冶だったー。かがりやその弟子たち、そして伝統工芸である作刀にかかわっていく中で、徐々に刀に興味を持つコテツ。現代日本において、刀をつくる意味とはなにか?悩みながらも、鉄を打ち、その熱に溶かされ、コテツは自らの心の形も変えていくー。
慢性的な人数不足に悩む離島・大島の渚台高校陸上部に奇跡的に4人の男子スプリンターが揃った。インターハイ予選を目前に控え、4×100mリレー(いわゆる四継)に挑むことになるが、メンバーの人間関係はサイアク…。しかし、それぞれが悩みを抱えながらも、本気でぶつかり合ううちに次第にチームに変化がー。たった40数秒に秘められた感動の青春ドラマ!!
帰宅途中の美香がゴミ捨て場で見つけた、小さな金管楽器コルネット。なんの気なしに掴むとなぜか近くで声がする。「あ、そこ触らないでほしい」-そのコルネットには天才演奏家だった少女、紫乃の幽霊が憑いていたのだ!小さい頃から練習漬けだったという紫乃に“青春”を教えようと、美香は吹奏楽部へ入部。紫乃に体を預けることで天才的な演奏を披露する。だが今ひとつ真剣味が足りない美香の態度は、紫乃を怒らせるばかりか、級友の吹奏楽男子・川崎も苛立たせて…。幽霊少女と生み出す音色がイマドキ女子高生を変えていく。感動吹奏楽小説!
梅雨のある日、小学生のすばるは学校の近くで、未来からきたという若い女性の幽霊と出会う。アイハラコトナと名乗る彼女は、なぜかすばるのことをよく知っていて、「今日転校してくる相原琴奈と仲良くしないでほしいの」と言った。だが、同じ飼育委員になったことで、すばるは転校生の琴奈と親しくなっていく。その後も、中学、高校、大学と、成長していくすばるの前に時々現れる幽霊の彼女。彼女が未来の琴奈だとしたら、琴奈はもうすぐ死んでしまうのだろうかー?青春小説の旗手による青春ミステリーにして、どこまでも透明なラブストーリー!