著者 : 奥乃桜子
商標乗っ取り、パロディ商品、特許侵害……飲料メーカーOL亜季が知的財産のトラブルを解決!痛快お仕事小説。 群馬の中堅飲料メーカー「月夜野ドリンク」に勤める亜季は、知的財産部に異動になった。 親会社から出向してきた上司の北脇は、弁理士資格持ちの知財エリートながら、全国の名物菓子を取り寄せては一人で楽しむ変わり者。 張り切って仕事を始めたとたん、服飾ブランドを営む親友が悪徳企業に訴訟を起こされそうになったり、 自社製品のロゴを改変したパロディ商品が発覚したりと、亜季は慣れない業務に振り回される。 そのたびに北脇の知識と経験に支えられ、なんとか乗り越えてきた矢先、月夜野ドリンクが社運をかけて開発してきた新製品のお茶が、 他社の権利を侵害しているとの理由で発売中止の危機に。 みんなが努力して開発した、汗と涙の結晶の技術を守るために、亜季ができることは!?
一流化学企業に勤める研究員、瓜原はるのは、社長賞をとった憧れの先輩・南が率いる群馬の研究所に異動になった。 意気揚々と出勤したが、そこは問題社員を集めたいわゆる「追い出し部屋」。天才研究員と謳われた南はやる気をなくして酒浸りになっていた。 チームに課せられた課題は、「3年以内メロンを収穫すること」。達成できなければ全員クビと言い渡されたはるのは、チーム存続のためにも、また南を再生させるためにも、メロン栽培に乗り出す。 メロンは栽培の難しい果物で、去年まで試行錯誤していた南たちも結果を出せていなかった。残された期限は今年度いっぱい。 悪戦苦闘するはるのだが、やがて南の左遷理由がパワハラ上司に逆らったためらしいと知る。 ギャンブルマニアの茂木や、社内不倫が発覚したという美紗も、聞けば理不尽な理由があった。 絶対にこんなところでつぶされるわけにはいかない。 南を目の敵にし、今もなお妨害をしてくるパワハラ上司・室谷に一矢報いるため、メロン課メンバーは奮起するが…!?
楽器販売店をクビになり、衝動のまま仙台に向かった惠理は「あやしバイオリン工房」と書かれた看板を見つける。そこには男性店主の他に、伝説の名器ストラディヴァリウスの精が棲んでいた!?店主以外の人には見えないはずのバイオリンの精・弦城の姿が見える惠理は、成り行きで、工房に持ち込まれる不思議な事件に巻き込まれる羽目に…。心温まるあやかし事件簿。2017年ノベル大賞佳作受賞作!