著者 : 妃川螢
侑樹は総務部の課長代理として会社の不祥事対処に追われる毎日。そんな憂鬱な朝、企業医として新たに派遣されてきた医師と対面することになったのだが…なんと相手は数年前に離婚した元妻の兄、洽一だった。高校三年で出会って以来、親友として、そして侑樹が洽一の妹、江美と結婚してからは義兄弟として絆を深めてきた二人。だが離婚後はすっかり疎遠になっていた。元親友、元義兄、そのあとに始まる関係とは…?
父から継いだ紅茶専門店を営む正純はある日、店を訪れたベルギー人紳士から自分のカフェのオーナーに迎えたいと唐突な申し出を受ける。煌く金髪とエメラルドの瞳、滲む品格…彼、アンリは正真正銘の公爵だった。申し出はやがて熱烈な口説きへと変わり、正純は幼馴染のショコラティエのベルギーでの修業を条件についに彼に抱かれてしまう。そんな折、正純はひとりの外国人の少年と知り合い…。
弁護士の室町はある日、愛人だった大企業の社長から慰謝料を取ってほしいという青年の依頼を受けたのだが…相手側の顧問弁護士は家を飛び出したきりの義理の息子で、今やTVでも人気のやり手イケメン弁護士、千芳史だった。十年前、高校を卒業したばかりの彼との間に起きた…記憶の底に沈めたあの出来事が、室町の胸に蘇り…。一方、厄介なクライアントには意外な素顔が…。背徳に縁どられた熱き想い。
人気俳優の煌一は、巨大企業・鷹栖グループの次男。事業は辣腕の兄、聆一に任せきりとはいえ、常に危険と隣り合わせの日々を送る。そんな彼が偶然にもVIP専門のボディガード派遣会社R.C.Sで再会したのは…高校の先輩、篠宮だった。初めて煌一に抱かれたあの夜、彼の前から姿を消した美しき先輩…篠宮。煌一は強引に篠宮を自分のSPとして雇うが…。欲望色づく執着のプリズナー・ラブ、書き下ろし。
巨大企業・鷹栖グループの次期総帥と目される、聆一。系列会社の社長に就任するとともに、その身は常に危険に晒され…。そんな彼の専任ボディガードとして、VIP専門の警護で知られるR.C.S.から一人の男が派遣された。6年前、聆一の護衛部隊長を務めていた腕利きエージェント、室生。二人の間には消せない過去があり…。主とボディガードー忠誠の絆で結ばれた主従関係が逆転するミッドナイトLOVE。書き下ろし。
憧れのレコード会社に就職でき、張りきる真言だったが…配属先はなんと苦手なクラシック部門、しかも超傲慢で気難しく、おまけに物凄い経歴の新鋭ピアニスト、曽我部の担当ディレクターにさせられてしまい…。最初の打ち合わせからぶつかり、険悪ムード漂うふたり。だが、独奏会の夜、真言は初めて目にする曽我部の華麗な指先にすっかり魅せられてしまった…。