著者 : 宮野美嘉
この世には“蠱毒”というものがある。毒蟲を殺し合わせて最後の一匹が猛毒の“蠱”となるのだ。それを操る術者のことを古来“蠱師”と呼ぶ。さて、斎帝国の皇女にして蠱師の李玲琳が、新興魁国の若き王・楊鍠牙のもとに嫁いでいくらかの月日が過ぎた。夫の困惑や周囲のドン引きをものともせず、玲琳は今日も大好きな蟲に囲まれ、蠱毒の研究に余念がない。ところが反王妃派の大臣が鍠牙に側室を持つよう迫り、王宮には不穏な空気が漂い始めて…。変わり者の最強王妃と、その才覚や美貌に反して苦労性の国王による、波瀾万丈な新婚生活の明日はどっちだ!?
この世には“蠱毒”というものがある。壺に百の毒蟲を入れて殺し合わせ、最後の一匹が猛毒の“蠱”となる。それを古来“蠱術”といい、操る術者を“蠱師”と呼ぶ。大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。最愛の姉である女帝・彩蘭の指示で、隣国魁の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐが、結婚生活は前途多難。まず玲琳が蟲を偏愛する蠱師と判明し、魁国の者たちはドン引き。さらに鍠牙の命が何者かに狙われているーという噂が立つと、毒殺犯容疑をかけられた玲琳の立場は危ういものに…。
住宅街にひっそりとたたずむレトロな雰囲気の「さくら花店」。一見ごく普通のフラワーショップだが、ここにやってくる客は、傷ついて病んだ魂を抱える人ばかり。苦しむ人の心を癒そうとする花の願いを聞き、その手助けをしているのは、植物の声を聞くことができる店主の雪乃だ。本日店にやってきたのは、美しい妹のために白い百合を買い求める女子高生。雪乃が感じた嫌な予感の正体とは?花に呼ばれると危険もかえりみず走り出してしまう雪乃を見守るのは、人嫌いで無愛想な樹木医の将吾郎。風変わりな夫婦が、植物にまつわる歪んだ事件を解き明かす!