著者 : 小山竜太郎
吉宗風雲録吉宗風雲録
紀州和歌山藩主の四男として生まれた吉宗は、御三家の名にとらわれない自由闊達な生き方をしていた。若侍たちに襲われ、手ごめにされかかっていた踊り子の小づまを助けた吉宗は、それを機に彼女と愛し合う。しかし、小づまは一度だけ吉宗に身体をあずけた後、姿を消してしまう。やがて吉宗は十六歳の正室・理子を迎えるが、彼女も急逝してしまう。動乱の時を生きた若き吉宗の奔放な青春を描く長篇書下ろし。
隠密変化隠密変化
時は八代将軍徳川吉宗のころ、尾張六十一万石の殿様宗春の周辺には奇怪な影があった。牛込水道町の酒問屋「兵庫屋」を襲った怪盗五人組は、必死に追う捕方の目をくらまして、屋張家市ガ谷御殿の辺りでその姿をかき消した。つぎつぎに豪商が五人組に襲われたが、米問屋の奸商田島屋伝兵衛方の地下金蔵から五人組が奪った四千両は偽金であった。吉原に遊ぶ尾張宗春を警護する近習頭は浜島庄兵衛であったが、その正体とは…。歌舞伎でおなじみの“白波五人男”-弁天小僧菊之助・赤星十三・南郷力丸・忠信利平、そして日本駄右衛門、この怪盗五人男が大江戸を舞台にくりひろげる豪華絢爛の物語。“白浪五人男”を新解釈で描いて、第二回日本作家クラブ賞受賞の記念碑的作品。
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