著者 : 小川竜生
真実は死の中に、夢は流れた血の中に。欲望の街、六本木。過去を棄てた男、山県龍二は、そこで、野望と権力抗争の渦に巻き込まれていく…伝説の殺し屋、人斬り龍二の苛烈なる生涯!渾身のノンストップ小説。
四年連続全日本の空手チャンピオン、吉永直美。三流大学出身ながら、超一流企業のアジア電気に首尾よく入社。三年目には突然、花形と呼ばれる少数精鋭の頭脳集団・宣伝部に配属された。そこで香港の世界的キーボード奏者ウイリアム・ボーのコンサートを開催するという一大イベントを担当させられた。その公演直前にボーとマネージャーが失踪した…!?背後に渦巻く利権と謀略。
一九七四年。地方都市で暮らす十五歳の少年、山県龍二は、剣道部のキャプテンであり、全国大会ベスト4の実力者だった。ところが、卒業を間近にむかえたころ、クラスメートの重松正人が、いじめの対象になっていたことに気づいたことから、龍二の人生は狂い始めてしまう。正人の自殺、そして親友川辺の謎の死。腐敗した街の権力抗争に巻き込まれ、龍二は殺人犯の汚名を着せられることになり、故郷を捨てる決意をするのだが…。
故郷を捨て東京へ逃れた龍二は、そこで己の運命を変える、様々な人々と出会い、そして死とともに別れていった。如月やさち、朴たちの復讐を誓った龍二は、横浜黒龍会の周辺を調べまわる。そして龍二に心酔する木村たちによって「龍の会」が結成された。殺されたもの、殺したものの怨念や慟哭の中で、龍二は自分の背中に墓標となる龍の入れ墨をほり、やくざになることを決意する。龍二の運命の行方は果たして…。
城北組の女組長・小枝子は、淫蕩な女だ。ある夜、大阪豊能の山中で猪犬訓練所をやっている氷室竜介を訪れ、激しく情交を求めた。二人は互いを貪り合う…。その日、関東鬼神会の若頭が小枝子に、氷室に深く関わるある男の行方について探りに来た。小枝子は若頭を追い返したが、やがて氷室の果てしない戦いが始まる。過去を捨てた男の修羅を鮮烈に描いた剛腕ハードボイルド力篇。
シンクタンクを経営する椎名に、プロ野球球団社長・西村から調査依頼が入った。極秘の球団売却交渉中、中堅不動産会社が政治家を使って強引に割り込んできたのだ。調査をするにつれ、球団買収の意図の不可解さの裏に、巨大な利権が渦巻くさまを見る椎名。そして、ある都銀関与の事実を掴んだ直後、西村が謎の死を遂げた!「椎名達郎」シリーズ第1弾。
大阪豊能の山中で猪犬訓練所をやっている氷室のもとに1人の女が訪ねてきた。名前はミキ。そこへ阿倍野の城北組の組員が犬の出張訓練の依頼にきた。氷室が断ると、彼らはいやがらせを始めた。ハンター達が氷室の山小屋へ行くのをやめさせているのだ。それを知った氷室は単身彼らの所へ向かった。過去を捨てた中年の元やくざが冬の山中で繰りひろげる凄絶な殺人バトル。剛腕作家の新境地。
東阪広告第2SP局部長・舘脇一輝は、社長・種田誠に、労働組合委員長・黒川武雄の懐柔を頼まれた。リストラを推し進めんとする種田に対し、黒川がそれに強硬に反対しているのだ。渋々その依頼を引き受ける舘脇だったが、黒川の裏には、さらに大きな黒い野望が蠢いていた…。現在の企業と人間を描破!「窓際の狼」シリーズ第3弾、文庫書下ろしで登場。
リベンジー復讐。人生の師と仰いだ人物を殺した氷室竜介。それをつけ狙う盛岡。十二年間、追いつづけ、ついにつきとめた。雪が舞った。今夜は雪嵐だ。もっと降れ。今夜は俺とおまえの地獄の夜だ。盛岡はそう思い、「死ね。この雪をおまえの血で染めてやる」と長いどすを閃めかせた。それをかわして氷室のナイフが宙を舞う。生粋の不良たちを描きつくす究極のハードボイルドの力作。
大阪南署のマル暴刑事・高倉は、昇進試験に合格したが、研修のため交番勤務を命じられた。だが、一年が過ぎても南署への復帰はかなわない。無聊をかこつ日々、交番の同僚が殺害された。事件の背後には高倉の宿敵ヤクザの影がちらつく。犯罪組織に立ち向かう一匹狼高倉。忘れかけていたデカの熱い血が滾る。
豊能の山中で猪犬訓練所を営む氷室竜介は、過去からの追手を振り切るため、生きることへの未練のために、何人もの人間を殺してきた男だ。ある夜、氷室のもとに城北組の女組長・小枝子が訪ねてくる。淫蕩な彼女に引きずられるまま、氷室は情交を貪るが…危険の匂いに欲情する彼女が男を求めるとき、それは過去からの新たな追手が現れる前触れでもある。その日、城北組を訪ねた関東鬼神会の若頭が、氷室の過去に深く関わる、ある男の行方を探っているというのだ…。氷室の果てしなき戦いが、いま始まろうとしている。
吉永直美。学生時代に四年連続日本空手チャンピオンの栄冠に輝いたバリバリの体育会系単細胞である。三流大学出身にもかかわらず、強運にも超一流企業のアジア電気に入社したばかりか、入社三年目にして突然、花形と呼ばれる少数精鋭の頭脳集団・宣伝部に配属された。香港の世界的キーボード奏者のウイリアム・ボーのコンサートを東京、大阪、神戸、福岡、そして香港の五カ所で開催するという大きな仕事を担当させられた矢先、公演直前にボーとマネージャーのコーが失踪し…。背後に渦巻く利権と謀略の嵐とは。
老舗の酒造メーカー・日本酒造がビール生産に乗り出した。広告戦略を担当する東阪広告は、CMキャラクターに新進俳優・水島紀之を起用する。だが海外ロケ直前に水島側がキャンセルを。対応に苦慮した東阪広告の堂門百合子は、窓際部長・舘脇一輝に事態の収拾を依頼。舘脇流の収拾策により、ロケは無事終了するが、帰国の際、水島にある事件が発生。さらに日本酒造の意外な対応により、東阪は窮地に追い込まれる。舘脇は独自の方法で対応に乗り出すが、複雑に絡み合う利権構造は新たな事態を生み出す。