著者 : 小沼純一
ふりかえる日、日ふりかえる日、日
ーー「世界」が生まれてくるのが、ここに、あるみたい。 わたしのめいのサイェは、今日もあらゆるものに耳を澄ませて、ちょっとずつ大人になっていく。おもいだすこと、はじめてしること。誰もが一度は感じたことのある心のふるえや温もりを、春夏秋冬の「音」に寄せて描き出す、静かな物語の集積。
しっぽがないしっぽがない
犬とのさり気ない日常を超えた無音の和音が聞こえてくる。--谷川俊太郎 「生きてるときに生きてて、何か感じたり、ほかの生きものに感じられたりして、どれがどう入れかわっても、おなじだ、って」。変わりゆくもの、簡単には変わらないもの。ぼくと妹の紗枝、そして犬の「マル」たちをめぐる、家族と記憶の物語。
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