著者 : 小玉二三
美術修復師の斑目映は、幻の画家の絵の修復を依頼されるが、その下に塗り込められた美しい女の絵を発見する。その直後、婚約者の茜が失踪。隠された絵の謎と妻の行方を追う斑目の前に、美貌の画廊オーナーが現れる。絵と現実、二人の美女に導かれ画家の生涯を追う斑目は、やがて時を越えて密かに生き続ける“血の一族”の秘密にたどり着く。長編ホラー・ミステリーの傑作!
洞口美矢子は夫の実家の隣家に移り住み、専業主婦となった。子供はおらず、仕事を望むも、ままならない毎日。地方都市での生活は、東京育ちの彼女には何ら満たされないものだった。ある日、同窓会で酔った夫が旧友の田伏を連れて帰る。垢抜けた田伏の振るまいに、惹きつけられてしまう美矢子。官能の喜びに自らを開き、男の腕のなかでたゆたう人妻の行き着く先は…。
勤めていた東京の会社が倒産した戸叶は、妻の実家である地方都市の漬物店で働くことに。だが家庭でも職場でも肩身の狭い日々が続き、スナックで働く離婚歴のある女・陽奈子と関係を結んでしまう。陽奈子の豊満な肉体に溺れ、安らぎを感じる戸叶。そのころから二人の身辺で異常な出来事が相次いで起こり始める…。期待の女性官能作家が新境地を開く官能サスペンス!
「妻を抱いてやってくれないか」。勃起不全に悩む親友から思わぬ依頼を受けた兼之助。さらに妻との情事を電話で中継してくれと頼まれ…(表題作)。義父の通夜で、義母の淫靡な姿を偶然覗き見した太一。二人きりになった休憩室で、彼は思い切って…(「通夜妻」)。若妻、熟女、未亡人、女子大生たちが、抑え切れない欲望を激しく濃密に燃え上がらせる傑作官能短編集!
夫の不始末から同僚に抱かれた人妻。2人の行為はエスカレートする(「Mふたり」)。困窮から身を売る決心をした武士の妻。不貞を働くことはできないので…(「菊座の貞節」)。女子更衣室を物色する課長を見付けた女子社員。お仕置きとして課長に対し…(「ぼくの楽園」)。デブでブスな最低の娼婦と彼女を抱く男の哀歌(「B専エレジー」)。あなたの好みに応えるHな作品、ここにあります。人気官能作家7人が競演する傑作選第1弾!
高級高層マンションに入るコンビニで働く青年・物集港人の前を行き交う様々な住人たち。活花の師範、女流画家、満たされない主婦、秘密パーティを主催する老人…。“愛欲の巣”と化した彼らの部屋では、今日も濃密な性宴が繰り広げられる。人生が交差し、愛がもつれ、欲望をぶつけ合う男女の姿を、期待の女流官能作家がグランドホテル方式で描く、性の群像劇!
水泳選手として将来を嘱望される青年・憲一は、隣家に住む同級生の美少女・愛由子に恋心を抱いていた。ある日、愛由子の父が再婚する。清楚さと妖艶さを併せ持つその若妻・博美に魅了される憲一。そして大人の女へと成熟した愛由子との思いがけない一夜…。夏の濃密な空気のなか、汗ばむ肌と蝉の鳴き声が、青年と二人の美女を性の坩堝へと追い立てる傑作官能小説。
フリーのメイクアップ・アーティスト黒地渉。彼にメイクを施された女たちは、厚く身に纒った心の鎧を脱ぎ捨て、本当の自分をさらけ出す。雑誌編集者、新進女優、主婦、美術館学芸員、祇園の女将…その肌に渉のしなやかな指が触れるとき、彼女たちは今まで経験したことのない官能の悦びに目覚めていき…。女の肉体の深奥に潜む欲望を濃密に描き出す、文庫書下ろし&オリジナル連作官能小説。